さよならと嗤う | ナノ
06*(2/4)


◆◇◆◇◆

そしてゾンビが出て来る教室を発見した訳なんだけど、



「タイミングくそ過ぎてキレそう」

「いやいや、でも電気がついたのは有り難いじゃないッスか!」

「この惨状で何言ってんだお前」

「……気分が悪いのだよ」

「ていうか、こいつ殺していいの? こいつからゾンビ湧いてるけど」

「さすが一哉、慈悲の欠片もねぇや。一思いに殺ってくれ」



3ーFと書かれた教室にいたというか…まぁ、倒れてたのは多分人間なんだけど、まぁ…そいつの体からどういう原理かまではわからないけど、ゾンビが湧いて出て来てるんですね。

ていうか、あいつもゾンビって考えればいいのか? ある意味、分裂してる様なもんだし。

とか考えてたら、一哉と弘が討ち漏らしたゾンビが目の前に迫ってて、咄嗟に飛び退く。

いやいやいや、何やってんだお前等。わたしが怪我したらどうすんだよ、あぁん?



「こっちに流れて来てんだよクソが」

「…いやぁ、これまっずいかも」

「は?」

「ザキも気付いたっしょ?」

「おう…まぁな」

「はぁ? 何言っ…!?」

「なんか強くなってんだよねーこいつ等。さっきから1発じゃ沈まない」



流れて来たゾンビの頭に蹴りを入れるが、何故か起き上がって来て思わず目を見開くと、一哉がそいつの頭を踏み潰しながら呟いた。

…いや、なんで急に? こいつから湧いて出たばっかりだからとか? いや、なら教室前でブッ飛ばしたゾンビも強くなってるはずだし。

だけど、考える暇もなく湧き続けるゾンビに一哉が"もう殺っていい?"とわたしの方を振り向く。

…正直、なにが起こるかわからないからやめた方がいい気がするけど、この状況はまずい。

仕方なく頷くと、一哉が椅子を掴むと一切の躊躇なく椅子を降り下ろした。



「うわぁ…きっも」

「いや、もっと言うことないのかよ…」

「"ァ…、ッガ…ト、ゥ…"」

「…は?」

「……まじでクソかよ」



…頭を潰された元人間っぽい奴が消える瞬間に発した言葉に、なんとなくこいつが誰なのか察した。

悪趣味かよ、まじで。

ていうか、これは1回体育館に帰るべきかもしれない。ちょっと、思ってたよりも状況はよろしくないらしいし。

真っ青な顔をしている緑間を高尾が心配してるけど、まぁ…これが普通の反応。なお、一哉と弘はドロップ品を見付けた様でそっちに夢中だ。やっぱり、お前等はなんかおかしいと思う。

まぁ、わたしも驚いたし心ん中で盛大な舌打ちはしたけど、なんとなく嫌な予感してたから平気だけど。

もちろん、健ちゃんも気分が悪そうな顔はしているものの、めっちゃ冷静でした。

霧崎メンタル強過ぎかよ、うける。


prev / next

[ back to top ]