さよならと嗤う | ナノ
05*(3/4)


◆◇◆◇◆

クッソ面倒臭い。

つーか、なんでこいつ等なんですか? 非戦闘員だろ、こいつ等。だったら、まだ陽泉の紫原の事殴ったやつの方が見込みあるよ、いやマジで。



「ぶっ、そんな嫌そうな顔しないで下さいよー」

「わたし素直だからさ、すっげぇ嫌だから仕方ないよね」

「ぶはっ、酷い!」

「ま、俺等は助けたりしないから自分の身は自分で守ってねん」

「ゾンビを倒せばいいのだろう? そのくらい出来るのだよ」

「あ、元から全く期待してないから大丈夫大丈夫ー」

「ぶ、辛辣過ぎ!」



わたし達のチームに来たのは、秀徳の緑間と高尾でした。マジでどんなチョイスしてんの? いや、今吉さんと赤司に任せたのはわたし達だけどさ。ちょっと、意味がわからないです。

そして軽く自己紹介をされて、全力で嫌な顔をしてたらゲラゲラと高尾が笑った。何がそんなにおかしいんだ、わたしからしたらお前の頭がおかしいからな。どこも笑えるところねぇから。

そして高尾とは逆に不満気な緑間に、既に嫌になってきた。ていうか、囮に使えなさそう。

いや、まぁ…正確には囮はわたしなんですけどね!!



「じゃあ行くよん。まずは、武器調達ねー」

「目星付いてるんスか?」

「まぁ、ぼちぼち? ていうか、手に掴めれば武器になるし」

「ぶはっ、なるほど確かに」

「調理室には、入れなかったんだっけ?」

「うん。原とザキでも壊せなかったから、多分なんか条件があるんだと思う」

「包丁がありゃあ楽だと思ったのによー。ま、倉庫でバットが手に入っただけいいけどな」



そもそも、探索だって言ってのに周りの探索よりもまず最初に武器を探しに行ってるお前達がやべぇよ。しかも、ピンポイントで刃物を手に入れようとする辺りが殺意高過ぎてウケる。

ていうか、まだ見取り図とかもなくて場所がわからないのに、わざわざ調理室を探しに行ってる辺り大分頭おかしいよね。

まぁ、そのお陰(?)でドアが開かない部屋があるのはわかったけどね。ちなみになんの部屋か確認してないけど、開かないドアはそれなりにあったらしい。

なお、確認した開かない部屋は音楽室と楽器倉庫だったそうです。なにそれ、めっちゃ嫌な予感しかしない。ま、余裕で目の前を通ったけどね。鍵が開いてないってわかってるなら、余裕のスルーだよね。



「で、技術室? 殺意高過ぎでしょ、マジでウケる」

「ハンマー欲しいじゃーん。頭叩き割るの早そうだし。 それに、前ん時は調理室に夢中でスルーしたからねん」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ。原は前でザキは後ろ、千夏は俺から離れないでよ」

「てか、多過ぎでしょ。千夏どんだけ臭いの」

「絶対に許さないからな、お前マジで覚えてろ」

「ぎゃはは! ゾンビいるのに余裕過ぎ! ……! 原さん右からも来てるッス!」

「んー? なるほど? オーケーオーケー、高尾はそこで周り見てて〜」



そしてまだまともに探索していないのに、ゾンビのお出ましである。しかも、めっちゃ量多いし。ていうか、わたしが臭いみたいな言い方やめろ。別に臭くないし、ちょっと血生臭いだけだから。ていうか、怪我してるだけだから。

そんなわたしと一哉の会話にゲラゲラ笑っていた高尾だったが、何を感じ取ったのか更にゾンビが来る事を一哉に教えるとサッとわたしの隣に移動した。

お? こいつ実は有能か?


prev / next

[ back to top ]