さよならと嗤う | ナノ
04*(4/4)

ていうか、怪し過ぎて逆に怪しく見えなくなるって感じでもなく、本当に怪しいんだよなぁ…あいつ。



「とりあえず、単独行動はせんように言わなあかんな。正直、3人でいたからって安全かはわかんけど」

「喰うって言うくらいだ、んなのまとめてペロリなんじゃねぇの」

「頭からバリバリ喰うの? なにそれマジサイコパス」

「まず人間じゃねぇだろ、バァカ。とりあえず、お前は警戒を怠るなよ」

「心配してくれるんだ? まことくーん?」

「喰われて死ね」

「はいはいツンデレツンデレ」



まぁ、大丈夫大丈夫。
あんな奴に気を許したりしないし、そもそも近寄らないし関わりたくもない。

ていうか、それを言うなら真達の方が危ないんじゃない? あいつと一緒に行動する事になったら、いきなりガブリとかありそうだし。

いや、まぁ…うちの連中は大丈夫か。だって警戒心の塊だし。身内以外は敵ってレベルで攻撃的だし。



「ていうか、テメェも話し合いに参加しろよバァカ」

「なんでわたしが。嫌だよ面倒臭い」

「俺もそれは賛成やな。どうせ、千夏はここで大人しくせんで探索行くんやろ?」

「まぁ…そうですけど」

「それに味方は多い方がええやろ? 日頃の行いが悪いんやし」

「否定出来ませんけど殴りますよ」



いやいやいや、そもそもわたしは頭脳派じゃないし。だったら、普通に健ちゃんでも入れればいいじゃん。

わたしより頭良いし、ゴミ箱を漁るとかいうわたしも思い付かない事してるんだし。

ていうか、赤司とあのやり取りをした後で話し合いに参加させようとする2人が解せぬ。



「正直、千夏には探索に行かんで待機してて欲しいんやけどな」

「は? なんで」

「敬語外れとる外れとる」

「体育館の外に出たら、何があるかわかんねぇだろバァカ。ましてや、テメェ怪我してんだろ」

「あー、また足手纏いって話ですかーすみませんねー」

「それももちろんやけど、体育館の方にも警戒しとる人間を置いときたいやろ?」

「少しは否定しろよ下さい」



まぁ、わたしが探索に行くのは確かにリスクが高いのはわかるけど…だからって、1人で待機は絶対に嫌だ。

だけど、今吉さんが言ってる事もわかるから…まぁ、待機してもいいけどさ。ていうか、あの女が体育館にいる間は安全って可能性も高いし。

さすがに体育館では下手な事はしないだろうし。逆にあの女が探索に行くって言い出す方がヤバい気がする。

どさくさに紛れて、いくらでもアクション起こせるだろうし。ていうか、絶対に誰かしら死にそう…ってか喰われそう。



(てか、うるさいんですけどー)
(起きてんのかよ)
(さすがに起きるでしょ)
(ザキは寝てるがな)
(でも喋りながら寝たフリを続けてる辺り流石だよね)
(自分達がどんな立場かよく理解しとる様で何よりや)
(警戒してんのはあっちも一緒ですし)
(てか、千夏は寝なよ怪我してるんだから)
(その怪我が痛くて起きたんじゃい)
(そんな痛むのか?)
(痛いよ、キレそうなくらい)

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