さよならと嗤う | ナノ
04*(3/4)


そんなコソコソと真と話をしていると、1つの足音が近付いて来てる事に気付くと真の眉間にシワが寄った。



「なんやかんや言うて、仲ええなぁ」

「チッ…なんの用ですか」

「いや、千夏が起きとるみたいやったから、ちょっとな」

「わたしに用ですか」

「ほら、"絶対に情報提供してやんない"って言うてたやん? せやから、なんか気に掛かるもん見付けてるんやろ?」

「あ、忘れてました」



そうだった、そうだった。
真に話そうとしてたんだけど、全然帰って来ないから寝ちゃったんだった。

とはいっても、別に大した情報でもなんでもないっていうのは本音。本当にちょっと気になっただけだしね。

でも、まぁ…今吉さんならいいかな。どうせ嘘付いても、妖怪だからバレるし。



「今、ごっつ失礼な事考えたやろ」

「いやいやいや? そんな事ないでーす」

「で、何があったんだよ」

「まず、真と今吉さんはどこで目を覚ましました?」

「教室やな」
「教室だな」

「その時、時計見ました?」



わたしの言葉に真と今吉さんがハッとした顔をする。まぁ、この2人なら、多分確認してるとは思うんだけど。



「わたしが目が覚めた教室の時計は、2時25分だった。だけど、探索の時に入った教室は、1時15分だったですよねー。あ、どっちも2階です」

「…俺が目が覚めたんは3階の教室で12時40分やったな」

「俺も3階で12時10分だな」

「と、なると…アレかな、この廃校に来た時間とかかなーとか思ったり」

「…確かに、盲点やったわ。時計が止まっとるかの確認ついでに見ただけやったし」



多分、わたしと一哉と弘が1番最後に体育館に来たはずだし。だけど、それより後にあの女はこの体育館に来た。

わたし達より後にここに来た可能性も一応あるけど、わたしはそれはないと思ってる。

だって、あの赤司の放送はわたし達が聞いた放送で最後だったみたいだし。あの時に放送を聞いてたらもう少し早く体育館に来れそうなもんじゃない?

ましてや、ゾンビに会って無傷なくらいなんだし。



「わたし、あいつ最初からこの廃校にいたと思うんだよね」

「確かに、体育館に来たタイミングも妙やしな」

「全員集まってから1人で来るとか怪しすぎない?」

「そもそも、あの時のゾンビはほとんどが千夏に集まってたからな。ゾンビに会ったってのも本当か怪しいぜ」



ていうか、赤司達と話してた時から思ってたけど、そのわたしがゾンビホイホイみたいな言い方やめてくれない?

と、まぁ…とりあえず、疑うには十分過ぎるくらい怪しいんだよな、あいつ。

わたし達はもちろん、今吉さんも疑ってるみたいだけど…まぁ、頭にババロア詰まってる連中は疑いもしてないんだろうけどね。


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