さよならと嗤う | ナノ
04*(2/4)


◆◇◆◇◆

…っ、くっ…痛い。
ダメだ…意識し出すと痛みがドンドン強くなってくる。

眠気に勝てず、1番に寝たには寝たんだけど…やっぱり慣れない場所って事もあって目が覚めた。

ゆっくりと体を起こして周りを見渡せば、チラホラ横になってない奴等もいる。まぁ、電気が付けっぱなしだから寝れない奴とかいそう。

そんな事を思いながら、腕の痛みを誤魔化す。



「…おい」

「え、真…起きてたの」

「腕が痛むのか」

「え、まぁ…うん」

「チッ…こっち来い」

「え、なに? 包帯巻き直すなら大丈夫だけど」



真が起きてた事にも驚きだが、何故かわたしを呼びつける真に頭を傾げながらゆっくりとマットの上から抜けた。

うん、真以外は爆睡してやがる。やっぱりこいつ等、神経図太いな。

そんな事を思いつつ、真の隣に行くと何故か真剣な顔をされた。なんだ、なんかあったのか。



「…、今吉さんが健太郎が見付けたメモと似たメモを見付けてた」

「…は?」

「内容話すから、変な顔すんな。ただ包帯取り替えてるフリしとけ」

「え、うん」

「健太郎のメモにあった、"あの女"の部分が"男"になった感じで…やっぱり体を奪われたと書かれてやがった」

「…」

「意味がわかるな?」



え、つまりは…あいつ、性別関係なく体を奪えるって事だよね。なにそれ、ヤバくない?

下手したら、絶望的な連鎖するよね。最低、3人で行動しないと…あいつに喰われて体を奪われるよね、それ。

しかも性別関係なく体を奪えるってなると、



「今の状況的に最初に狙われるの男じゃない?」

「だろうな。お前は、俺等といるし。相田も桃井も常に2人でいるからな」

「で? 今吉さんはなんて言ってんの」

「赤司にも話すって事と、あの女の監視をするって話になった」

「監視? 無理でしょ、あいつフラフラ誰かに付いてってるし」



多分、誰かが1人になるのを狙ってるんじゃないの。だから、やたらとわたしに拘ってるんでしょ…あいつ。

でも1つ言わせて貰うと、わたしの体を奪ったところでなんの得もなければ、信用もクソもないから意味ないと思うんだよなぁ。

いや、逆にわたしが邪魔な可能性? 厄介な真といるし。既に絶対に1人にはなるなって真に指示されてるし、だから一哉達も1人でふらふらしてないし。

で、わたしが死ねば動揺を狙えるとか思ってる? だが、残念だったな。多分、こいつ等はそんなに動揺はしないと思う。

ていうか、わたしが死んだら今以上に警戒するだろうし…それは悪手だぞ、化け物。


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