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そして弘と康次郎が戻って来た後も、2人を加えて謎のサイコパス談義をしつつ中庭へと向かった。
もはや、緊張感が無さすぎる。
いや、真達なりにわたしに気を使ってる可能性はあるけど…もう少しまともな話題はなかったのか。
そして中庭への扉を真が鍵を使って開き、軽く安全確認をしてから全員で中庭に入った。
「へぇ、これが大樹ねぇ。なんかめっちゃキモい色してるけど」
「それで誰から行くんだ? いないなら、是非俺から!」
「なんでこいつ、こんなに千夏に殺されたがってんの。つーか、古橋ってMの子が好きじゃなかったけ? え、まさかの自らがMになる感じ?」
「古橋、千夏がドン引きしてるからやめなよ」
「まぁ、花宮は最後だろうし。今、並んでる順でいいんじゃねーの?」
「古橋、ザキ、原、俺、花宮ね。いいんじゃない?」
そして勝手に自分達の死ぬ順番を決め出すこいつ等は、本当にメンタルがヤバい。もう少しわたしを気にしてくれてもいいんじゃないですかね?
正直、1番嫌なんだからね。
しかしそんなわたしの思いを無視するかの様に、康次郎がわたしを大樹の前まで連れて行く。尚、他の4人は見学する様な感覚で座ってこっちを見ている。
急に鬼みたいだな、お前等。
さっきまで目隠ししたり、耳を塞いでくれてたお前等は一体どこに行ったんだよ。
「俺等だから大丈夫だ。むしろ、喜んで刺されるぞ」
「怖いんだけど、やっぱり康次郎が1番のサイコパスだわ」
「貴重な体験だろう? 生きながら殺される体験が出来るんだぞ」
「言ってる事めちゃくちゃなのに、合ってるから余計に困る」
「だから、ドーンと来い!」
「なんか悩んでるわたしがバカみたいで、キレそう」
「特別に痛くしてもいいぞ!」
「もう黙っててくんねぇかな」
もうダメだ、真面目に悩んでたわたしがバカだった。
いつもの死んだ目が嘘の様に嬉々としてわたしを見つめる康次郎に、きっとわたしの目が死んでいるに違いない。
大丈夫、大丈夫。もう何回もやったし。
目隠して耳も塞いでたけど、わたしがやったんだから。
それに康次郎は、怖がってないどころかウェルカムな感じで早くしろと急かしてるくらいには、頭がおかしい。
「はぁ…じゃあ行くよ」
「よし、ドーンと来い!」
「なんか緊張感ないなぁ…」
何故か嬉しそうな康次郎にドン引きしつつ、数歩後ろに下がりナイフを構えて勢いを付けて康次郎にナイフを突き刺した。
その瞬間、ガッチリと康次郎にホールドされてさすがにビックリした。
そして " 大して痛くはないな " と囁いたかと思ったら一気に康次郎の感覚が消えて、体が軽くなった。
…もっとなんか言う事あるだろ。
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