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ははっ、まーじで化物かよ。
康次郎を一哉に頼んで、康次郎には悪いけど無理して走って貰ってる。
必死に銃でクソ女に銃を撃つが、当てても当てても女はわたしを追ってくる。もはや、ただのホラーじゃん。
ていうか、もうわたししか見えてない的な? 今更、隠す必要ないもんね。あんたは、最初からわたしが目的な訳だし。他は、おまけでしょ?
ゆっくりと走っている速度を緩めると、一哉がバッと振り向いた。
「おい、千夏! ふざけんなよ!!」
「いやいや、本気本気。大丈夫、すーぐ追い付くから。康次郎を狙われたら困るから、ちょっと時間稼ぐだけ」
「千夏っ…大丈夫、だ…」
「はーい、怪我人は喋らないで下さーい! 戻ったらすぐ来てよね」
「…まじで死んだら許さないから。おい、クソクローン女! また頭ぶち抜いてやるから待ってろよ!」
いやいや、完全に一哉が悪役で笑うんだけど。ていうか、どんだけ頭ぶち抜きたいの。それに、もう何回もわたしがぶち抜いてるんだよなぁ。
そしてバタバタと走って行く音を聞きながら、ゆっくりと銃を構えてクソ女を見据える。
あんだけボロボロで、死なないってなると…条件がある可能性が高いかな。もしくは、本体じゃないとか。そもそも、あいつは色んな人間に化けられるみたいだし? 人間を食えるらしいから、違う人間の体を使ってる可能性もある訳で。
んー、わかっんね。
とりあえず、本体じゃないとしても今使ってる体を使えなくすれば、動けなくはなるよね。
そしてもう使い物にならないであろう腕をダラリと垂らしたまま、わたしに向かってくるクソ女の足に向かって銃を撃つ。
ついでに頭にナイフもプレゼント。
「っ…ぐ、あっ…ワタシが、…ずる、いっ……ほし、い…」
「知るかよ」
「…あんたが…いる、からっ…ワタシが」
「お父さんに愛されないって? 逆恨みしてんじゃねぇっ…ぐっ!!」
「…たべ、る…たべて、…いっしょ…に」
「っ、くぅ…なんねぇよっ!!」
油断をしていた訳じゃないけど、さすがにそれは反則だろ。急に後ろから異様な音がして咄嗟に体を捩るが、クソ女にそっくりなゾンビがわたしの心臓目掛けて真っ黒なナイフを突き刺そうとしていた。
が、咄嗟に体を捩ったお陰で心臓は避けた。だけど、左腕には深々と真っ黒なナイフが刺さってる訳で…多分、抜いたら不味い。
一気にナイフを抜きたいのは山々だが、ここでナイフを抜いたら大量出血必須である。
痛む腕に体が震えて銃を持つのも覚束無いが、ゾンビに向かって必死に銃を撃ってどうにか倒すと、クソ女がわたしに向かって覆い被さって来たので、蹴り飛ばす。
なんなんの、こいつ。
まじで頭おかしいんだけど。
1回引くとかそういう考えがねぇのかよ。そもそも、ゾンビもすぐに湧かせる事が出来ないのか、追加で湧いてくる気配はない。
とりあえず、蹴り飛ばしたクソ女から距離を取りつつも少しずつ体育館の方へ向かう。
もう腕が…やばい。
しかもこのナイフ…多分、普通のじゃない。
(原、ここまでで大丈夫だ…)
(ん、わかった)
(すぐに戻ってくれ
(花宮にも来るように言ってよ)
(あぁ…)
(後、これ一応ね)
(いや、…それは原が使ってくれ)
(お前になんかあったら俺が千夏に怒られんの)
(ふっ…わかった)
(じゃ、ちゃんと体育館行ってよ)
(あぁ…わかった。すまない)
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