さよならと嗤う | ナノ
32*(3/4)


気分が悪いのと、物音を聞きたいからわたし達は黙ったまま保健室へと向かった。

そして保健室に着いて、とりあえずドアが開いてたら手榴弾を投げ入れると中からあのクソ女の声が聞こえて、2人に合図をして中に飛び込んだ。

で、そこには血塗れの高尾と緑間…そしてその2人を守る様に銃を構えている宮地がいた。



「っ…高尾!!」

「う、わっ…千夏さんじゃ、ないっ…スか」

「喋んな。一哉、あのクソ女は」

「いるけど、撃っていいの」

「ねぇ宮地さん、一応聞きますけど…あいつに攻撃されました?」

「っ、あぁ…だから…高尾と緑間が、クッソ…俺が」

「一哉、康次郎」

「おっけー。おい、クソ女また頭にぶち込んでやるから喜べよ」

「容赦はしない」



多分、あのクソ女本体を狙うなら大丈夫なはず。一応、周りを警戒しながら高尾を引き摺り保健室から出て、宮地には緑間を連れて来て貰い2人を壁に寄り掛からせる。

緑間は、意識がないだけで…余り外傷はない様に見えるけど。いや、わからない。とりあえず、宮地に2人の怪我の具合と何をされたかを詳しく聞いた。

その結果、高尾に1回分に満たない回復薬を飲ませる。まぁ、わかってたけどさ。1番邪魔なのは、高尾だろうし。

さすがに回復量は少なくて、高尾の怪我は全然治らず…仕方なく、セーターを脱いで適当に破ってきつめに傷口を縛る。



「高尾、意識はある?」

「は、いっ…大丈夫ッス」

「宮地さんは、まだ動けますか?」

「あぁ…どうすりゃあいい? どうすりゃあ…こいつ等を助けられる?」

「わたしが高尾を運びますから、緑間をっ…」

「っ、…古橋っ!! ってめ!!」



うん、だよね。わかってた。
あいつがそう簡単に死なないなんて事は、さ。

バッと立ち上がり、宮地に手榴弾を3つ全て渡す。そして、高尾と緑間を連れて体育館に戻る様にいう。

手榴弾はわたし達に害がないから、ゾンビが出て来たら惜しみ無く使う様にして逃げる事だけを考えろと伝えて。

宮地は、わたしと高尾達を見比べてかなり悩んだ結果ゆっくりと頷き、2人を抱えて保健室から離れて行った。

多分、大丈夫なはず。
わたしや一哉がいるのに他に戦力を回したりしないだろうし。

そして急いで保健室に飛び込むと、既に膝を付いている康次郎とそんな康次郎を必死に引き摺りながら銃を構えている一哉がいた。

なるほど、足かぁ。



「おい、クローンクソ女。お目当ての千夏様が来てやったぞ。死んで喜べよ」



そしてクソ女に向かって銃を撃った。

しねよ、クソが。


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