さよならと嗤う | ナノ
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そして医務室では、大発狂大会が起こってる訳ですが。

いや、主に青峰と若松だけど。もうね、酷い。錯乱状態でヤバイ。桃井に向かってなんかめちゃくちゃ言いまくっててヤバイ。

アレだよね、青峰と若松は桃井のニセモノの相手をしてたっぽいよね。うわ、桃井がまた泣き出した。なにこのエンドレス発狂。

とりあえず、諏佐さんと桜井に桃井を医務室から連れ出して貰って。押さえ付けられている青峰の元へ向かう。

3人掛かりで押さえ付けないと暴れるとか、怖すぎかよ。



「青峰、わたしがわかる?」

「っ、はっ…っ…あん、た…は…霧崎の、」

「そう当たり。で、今は医務室でニセモノの桃井はいないよ。だから、もう大丈夫だから落ち着け」

「…っ、さっつき…そうだ、さつきをっ…」

「ニセモノ。あんたが殺したのは、全部ニセモノ。本物は、あんたを心配してピーピーずっと泣いてるよ」

「っ…あんたが、助けて…くれたの、かよ」

「まぁ、一応? ファーストキスだったならごめんねー」

「ぶっ…クッソ千夏クッソ…!!」



なんか一哉がめっちゃ笑いを堪えてるけど、いやぁ一応ね? 大切にしてたら悪いじゃん。まぁ、緊急事態だったからノーカンって事にしときなよ。

で、若松は今吉さんが必死に宥めてるし大丈夫そうかな。

赤司達は、別に精神に異常はないみたいだし。ていうか、悪夢ってよりは…単純にニセモノとの戦闘で精神がやられたって感じかな、こいつ等の場合。

いやぁ、本格的にまずいねぇ。

そして高尾達が帰って来ないのも、正直凄く気になるし。

なんて思ってたら、また体育館の方が騒がしくなって…仕方なくまたわたしと一哉と康次郎で見に行く。


で、そこには血塗れの日向と伊月が誠凛の奴等に囲まれていた。

………。

走って日向と伊月の元へ向かい、誠凛の奴等を退かして胸ぐらを掴む。



「おい、他の奴等はどうした。先にそっちの報告だろうが」

「っ…、愛が逃げろってっ…助けを呼んで来てくっ…」

「一哉、武器。康次郎は、真ね。すぐ行くから」

「ん、おっけー」

「わかった」



まじで話になんないんだけど。高尾達を置いて来た事もそうだけど、なんでそれを体育館に入って来た瞬間に叫ばないの。

まじで有り得ないんだけど。

怪我をしてるのもお構い無しに日向を突き飛ばして、立ち上がると火神がわたしの胸ぐらを掴んで来たので思いっきり殴ってやった。



「触んな、クズ。久し振りこんなクズ見た。有り得ないわ」

「っ、いってぇな!!」

「おい、日向と伊月。お前等が開口一番に高尾達を助けに行ってくれって言ってたら、すぐにわたし達は動いたよ。なのに、報告はしないで再会を喜びあってて…この無駄な時間の間に、高尾達が死んでる可能性もあんのわかってんの?」

「…っ!!」

「千夏、3人で行って来いだって。で、高尾達が死んでたら出来るだけ死体を持って即帰って来いってさ」

「…わかった。おい、場所くらい言えんだろ。高尾達は、どこだよ」

「ほ、保健っ…室だ」

「一哉、康次郎行くよ」



もう頭にキ過ぎて話すのも嫌になった。ていうか、わたし達も大概クズでゲスでクソ野郎だけど、さすがにそれはねぇわ。

つーか、まじで死ねよ。


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