さよならと嗤う | ナノ
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で、誠凛を刺激するとまたうるさいのでオムライスを食べ終わったわたし達は、医務室に避難した。まぁ、健ちゃんと弘の怪我が治ってないのもあるしね。

そしてやる事もなくて、どこの教室が怪しいとか、真と康次郎が殺した化物の酸の対処の仕方とか…まぁ、色々と話してました。

ちなみに悪夢を見る様になる条件は、特殊な化物に攻撃された場合なんじゃないかって事で話がまとまりました。まぁ、確証はないんだけど。

そんなこんな必死に時間を潰していると、体育館の中が騒がしい事に気付き健ちゃんと弘を置いて様子を見に行くと…どうやら、今吉さん達が帰って来たらしい。

…うっわぁお。
尚、かなり負傷してる様で周りの奴等があわあわしててクソ笑う。いや、さすがに手を貸すなりなんなりしろよ。まじで役に立たねぇな、こいつ等。

仕方なく、真にアイコンタクトを送ると鼻で笑われたので蹴りを入れてから今吉さんの元へ走った。

今吉さんには死んで貰っちゃ困るからね。



「今吉さん、大丈夫ですか? 怪我の度合いと、緊急性が高いのは誰ですか?」

「千夏っ、すまんなっ…青峰が色々と重症や。頼めるか? 後は、みんな…同じ感じや」

「わかりました。おい、ピーピー泣いてねぇでそこ退け」

「うっ…だ、だいちゃんっ!」

「おい、青峰。わたしの声が聞こえるなら少しでいいから指に力入れて。……、真っーー!! 至急、回復薬と悪夢消し!!」



青峰から反応はない。

仕方なく破れている場所からYシャツを勢いよく破ると、思わず顔を顰める。

いや、ヤバいだろ…これ。
わたしの時並にヤバい。

…あの悪夢を見る痣の範囲が異常な上に、かなりの数の刺し傷がある。ていうか、普通に死んでないのが不思議なレベルで悲惨な事になってる。

なんか後ろで桃井がまじ泣きして叫んでるけど、それどころじゃねぇから静かにしてろ。

一応、脈は確認したし息はしてるけど…いや、うん…これはヤバそう。一哉と同じくらいには、ヤバそう。



「千夏、持って来たぞ。それと誰を運べばいい?」

「わたしが青峰にこれ飲ませたら連れてって、後は実渕と黛さんを優先で連れてって」

「いやーん、千夏ちゃんまじ大胆」

「黙って運べよバカ」

「はいはい、わかってるってー」



相変わらず一哉は、緊張感がないけどちゃんと運んでくれる辺り、いい奴だよなぁ。すぐキレるし、煽るけど。

つーか、さっきから見てるだけで何もしてねぇお前等もさっさと手伝えよクズ。尚、真も我関せずと医務室に戻った模様。まじでクズ過ぎて笑った。

そして青峰には、悪いけどわたしが直接薬を飲ませた。桃井に頼んでもよかったけど、まぁ…今の状態の桃井には無理だろうと判断した。つーか、時間が惜しいし。

で、続けて薄青い悪夢消しも飲ませて…すぐに康次郎を呼んで青峰を運んで貰う。



「っ…さ、…ぃ…」

「おっけー。まだ意識が朦朧としてそうだけど大丈夫っしょ。康次郎、ゆっくりね」

「あぁ、わかった」

「っ…だ、だいちゃん!!」

「心配なら付いてけば。すぐに目は覚ますと思うし」

「っ…!!」



そしてなんか言いたそうな桃井を無視して、未だに立つのも覚束無い今吉さんの元へ向かう。

なんでこの人、医務室に向かわないの。いや、バカなの。


医務室内
(はいはーい、君はここね)
(ありがとう…ごめんなさいね)
(礼なら千夏に言ってねー)
(うわっ…怪我人多いな)
(そりゃあそうでしょ)
(おい…原、手伝ってくれ)
(はいはい、重っ…!!)
(へぇ…重症は、青峰か)
(千夏がすぐに対処したが)
(ふはっ、だろうな)
(げぇ…これ刺し傷? えっぐ)
(うっ…うぅ…だいちゃんっ)
(死んでねぇから泣くな、うざってぇ)
(ぶはっ、鬼かよ)

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