さよならと嗤う | ナノ
31*(3/4)


いやしかし、よくもまぁそんな説明で納得したな。いや、納得してないから笠松も噛み付いて来たのか。

で、無理させ過ぎたからって言ってた連中が呑気にオムライスとか食って騒いでたから、誠凛もギャーギャーと騒いだと。

いや、別にいいだろ飯くらい。だから誠凛はただの八つ当たりだよね、死ねばいいのに。



「てか、千夏ちん達はもう大丈夫なの? 死に掛けてたんでしょ?」

「だからその呼び方やめろ、殺すぞ」

「見た限りは、元気そうだよね。マコトも服を着ているし」

「勝手に名前で呼んでじゃねぇよ、しね」

「千夏と花宮のキレポイントが同じで笑うんだけど」

「えぇ、千夏ちん嫌なの〜?」

「逆になんで嫌じゃないと思ったんだよ。つか、馴れ馴れしいキレそう」

「ははっ、そう言わずにフレンドリーに行こうじゃないか」

「え、なにこいつ等クソ面倒くせぇんだけど」



無駄に馴れ馴れしい紫原と氷室にキレそうなわたしと真をゲラゲラと笑ってる一哉達に、更にイラッとする。

さっきの話を聞いててフレンドリーって単語が出て来る辺り、こいつバカだな? バカなんだな? 頼むから帰ってくれ。

だが、めげない2人にもはや無視を決め込むわたしと真はさすがだと思った。相手にしたら負けなやつだよな、これ。いや、知ってるから、大丈夫だからそう睨むなよ眉毛。



「いやぁ…ま、普通に元気そうだし、あんまり長居してるとまた誠凛の奴等が来そうだし。俺等も戻るわ」

「福井さんまじでまとも」

「千夏にまともと言われる数少ない人間だぞ」
「おぉ、すげぇ」
「拝んどくか」
「クッソうける」

「お前等は、うるせぇんだよ。さっさとオムライス食えよ!」

「本当にお前等、いっつも楽しそうだよな。ま、なんかあれば呼んでくれ。俺等、陽泉はお前等を疑っちゃいねぇからよ」



クッソいいこちゃんじゃん。
福井さんめっちゃ騙され易そう。面倒見もいいし、頭も悪くない、そしてなによりまとも。

だけど、あの紫原と氷室が素直にいうこと聞いてる辺り、やっぱり福井さんはすげぇ人なんじゃないかって思う。だって、あいつ等…完全に人の話聞かないタイプのフリーダム人間だろ。しかも、わかってて話を聞かないタイプ。クッソ質悪いやつ。

そして軽く手を上げて去って行く福井さんは、まるでヒーローの様だった。尚、身長が小さい上に真ん中にいたせいでなんか囚われの宇宙人みたいだったのは秘密だ。



「はー、誠凛がクソ過ぎて愉しかったぁ」

「そしてこのゲス発言である」

「だって、あの反論出来なくて悔しそうな顔見た? まじでうける」

「監督さん泣いた時はまじで笑いそうになった」

「俺は、泣き方が不細工だなとは思ったが。顔の問題か?」

「ぶっ、泣き方のダメだしはさすがに草生える」

「うん、やっぱりお前等の方が最低だな!! なんで俺、こいつ等と友達なんだろうな!」

「え、友達だったの!?」
「初耳だな」
「友達だったのか」
「へぇ…」

「お前等、ほんと嫌い」



そして安定の霧崎唯一の良心の弘は、相変わらず可哀想である。

あ、ちなみにわたしはちゃんと友達だと思ってるからね! 空気を読んで言わないけど!



prev / next

[ back to top ]