さよならと嗤う | ナノ
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仕方なく、医務室から食堂(?)へ向かい…嫌々ながらオムライスを作っている。

ちなみに医務室から出た瞬間、すっげぇ視線を浴びたが無視である。もはや、日常茶飯事レベルで痛くも痒くもねぇや。

で、一緒に来たのはまさかの康次郎なんだけど…全然手伝わねぇんだけど、ふざけてんのか。



「手伝えよ! 何しに来たんだよ、お前はよー!」

「ただの付き添いだが」

「帰れ」

「そうはいかない。千夏を1人にするのは危ない」

「なら手伝えよ、クソが」

「はぁ…仕方がない。やりたくないが…やるか」

「ぶん殴られたいのかお前は。つーか、康次郎の分なしにしてもいいんだぞ? あ?」

「大丈夫だ。ザキの分を俺が食べれば済む話だ」

「済まねぇよ! しかも弘からとかゲス過ぎかよ、確信犯かよ、しね」



本当にゲス野郎の集まりである。怪我が治っていない弘の分がなくなったら、結局わたしが作るはめになるので…つまりそういう事だ。ほんとクソ。

で、康次郎の罰ゲーム並のアレンジを阻止しながらオムライスを次々と作っていく。つーか、アレンジするなら自分のでやれよ、バカかよ。わたしが怒られるんだよ、しね。

そして無事に全員分のオムライスと軽いサラダが作り終わり、運ぶかどうするかを悩んでいると康次郎がトレーにオムライスを乱雑に乗せていく。



「体育館で食べよう」

「は? 頭おかしくなった?」

「いいから運ぶぞ。千夏は、花宮達を呼んで来てくれ」

「いや、弘と健ちゃんはまだ怪我治ってないんですが」

「大丈夫だ、呼んで来てくれ」

「大丈夫じゃねぇよ」

「きっと花宮達もすぐにわかってくれる」



は? まじで意味がわかんないんだけど。

なに? そもそも、体育館で食べるとかわたしが嫌なんだけど。ご飯くらい落ち着いて食わせろよ。

とか思いながら、渋々真達を呼びに行く。

そして医務室にて事情を説明すると、康次郎の意図をすぐに理解したのか、一哉と健ちゃんが笑い出して更に意味がわからない。なんなの? わたし、康次郎の考えてる事だけは察するの苦手なんだけど。

で、ゲラゲラと笑ってる一哉が早く早くとわたし達を連れて医務室から出た。



「ぶふっ…古橋のドヤ顔っ!」

「え、まさか床で食べるの?」

「大丈夫だ。ナプキンは敷いたぞ」

「ダメだ、古橋がっ…腹痛い、ぶふっ…」

「千夏、これが俺の?」

「え、うん。それが弘のでそっち健ちゃんで、それが一哉の」

「じゃ、食べよーぜ!!」

「体育館で食べる理由の説明がなくてキレそう」

「その内、わかるから」



そしてまじで体育館で食べる事になってるし。しかもナプキンが敷いてあるだけで、床だからね。

なんなの? ピクニック気分なの? いや、もういいけどさ。わたしもお腹空いてるし。



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