さよならと嗤う | ナノ
29*(4/4)


医務室に入るなり思わず笑いそうになって、必死に堪える。

いや、まじでレア過ぎっしょ。

え、デキてる? 実は、付き合ってたとかない? ヤバい、めっちゃ写真撮りたい。いやまじで、なんでスマホねぇの、ふざけんな。



「可愛いよね」

「違う、そうじゃない。笑い堪えるのに必死だからまじでやめて」

「いや、既に笑ってるからね」

「ていうか、何がどうなったらこうなるの? え、やっぱり吊り橋効果的なノリで付き合っちゃった? クソうける」

「それは絶対にない」

「ねぇのかよ、まじうける」



いや、これは付き合ってるって言われても納得するレベルでお似合いで笑う。まぁ、この2人の場合は顔は良いからね、仕方ないよね。

それにしても、そんな千夏に腕枕とかしてて花宮は火傷痛くねぇのかな。で、抵抗した名残なんだろうけど千夏は、花宮の腕掴んでるし。

イチャイチャしてたら寝ちゃいました感が凄い。だが、花宮と千夏なので間違いなくそれはないと思うけど。



「アレだよ、原が本物の千夏を確認してた感じと同じ」

「あぁ、なるほど納得。でも一緒に寝る必要性」

「図だけ見たら千夏が花宮に襲われてたよね」

「なにそれクソ見たかった。つか、花宮はどんだけ思い詰めてた訳」

「責任感じたんでしょ。みんな怪我したし、原なんて死に掛けた訳だし」

「花宮ってなんだかんだ、俺等の事ちょー好きだよね。まじうける」



つーか、別に花宮が強制した訳じゃねぇんだし。そこまで花宮が責任感じる必要ないのにね。

ま、うちの主将兼監督さんは責任感が強くてちょっと不器用だからねー。頭はクソ良くて、引くくらいゲスいし、見た目に反して暴力的だけど、なんだかんだ俺等には甘いからなぁ。

ま、心配とか信用とかじゃなくて…なんつーか、俺等なら大丈夫だろうみたいな気持ちでいたんだろうけど、見事にボッコボコにやれたからね。

アレ、花宮のプライドとかその他もろもろ大丈夫? メンタルはクソ強いけど、煽りとかには弱いからね、花宮。ましてや、自分の思い通りにならないと機嫌悪くなるし。

あ、だからか。



「ていうか、花宮の夢も結構ベビーだったみたいでさ。 違うって、信じてって言いながら泣いてる千夏の事を花宮が殺したらしいよ」

「はい、クソー。覚えてなかった俺まじ勝ち組」

「しかも、俺等も死んでたらしいよ。簡潔に話すと花宮の判断ミスで俺等が目の前で死んで、そこに千夏がみたいな?」

「精神攻撃が的確過ぎて草」

「ほんと質悪いよね」



いや、まじでよくもまぁ…そんなピンポイントで狙って来るよね。まじで胸糞悪いんだけど。

つーか、深層心理まで読んで精神攻撃してくるとか、まじでチーターかよ。ま、薬が手に入った今となっては別に問題ないけどさぁ。

まじで、あのクソ女は苦しませて殺してやるから。絶対に楽には死なせてやんない。



(でも心理戦なら俺等の十八番でもあるでしょ?)
(瀬戸が珍しく悪い顔しててうける)
(俺だって頭キテるし)
(まじ相手はよく選べよって話)
(俺等は完全に敵って見なされただろうし)
(動き易くはなるよねー)
(表立って色々出来るのはいいよね)
(で、聞いてた高尾くーん?)
(ちょ、こわっ! タイミングミスりました!)
(俺等を敵にしたくないならわかるよねー?)
(今来たばっかなのに原さんからの圧が凄い!)

prev / next

[ back to top ]