さよならと嗤う | ナノ
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俺の言葉に3人が黙る。

いや、俺がここまでキレてると思ってなかっただろうしね。そりゃあ、黙るよね。



「あ、ちなみにこれ花宮も承諾済みっていうか、俺の独断じゃないからねー」

「えっ…さっきのアレそんな意味があったんスか? " もう切り捨ておっけーっしょ? " からの " あぁ " だけだったじゃないッスか」

「霧崎流会話術だから」

「もはや会話してないッスよね」

「ま、俺等がいないと困るのそっちだと思うし? 詳しく言わなくてもわかるだろうけど、俺等は " 俺等だけ " で脱出する事だって出来る訳だし。ま、話が付いたら医務室に行ってねー」

「え、原さんどこ行くんスか?」

「ん、シャワー。怪我は治ったけど、血塗れだし。じゃあねん」



ヒラヒラと手を振り足早にシャワー室に向かう。さすがに着替えたいっつーか、まじで血塗れだし。まぁ、もう乾いてカッピカピなんだけどさ。

ベッドは自動で綺麗になるからいいけど、服はどうにもならないからねー。

はぁ…なんか柄にもない事したから無駄に疲れたんだけど。こういうのは、花宮がやるのにさー。ま、別に嫌な訳じゃないし? 俺も腹立ってたからいいけどさ。

本当に最悪は、" 俺等だけ "で脱出するし。正直、もう感覚麻痺してるし? 多分、普通に殺しちゃうだろうし。そう考えると、やっぱり慣れって怖いよねー。

まぁ、最初から他の奴等とかどうでもよかったけど。


で、適当にシャワーを浴びてると誰かがシャワー室に入って来たらしく話し声が聞こえてきて、シャワーを止めた。



「お、原ァー! シャワー終わったかー?」

「って、ザキかよ」

「俺もいるぞ」

「え、なに寝起きシャワー?」

「おう。瀬戸に行って来いって言われてよ。つーか、早く医務室戻った方がいいぜ」

「え、なんで。なんかあったの?」



とりあえず、来たのがザキと古橋だってわかったからすぐにまたシャワーを出す。警戒して損した。で、わざわざ隣に入ったらしくザキの声がシャワー音と一緒に聞こえてくる。

それで、なんで医務室に戻った方がいい訳? まさかもう赤司達が来たとか? え、早過ぎない? さすがに舐めてるでしょ。話し合いも何もしねぇで勝手に決めたとかなら、まじで有り得ねぇんだけど。

ま、その場合は花宮も全く聞く耳持たないだろうから大丈夫だと思うけど。



「あれは、かなりレアだからな」

「……え、なんの話?」

「花宮と千夏が仲良く一緒に寝てんだよ。クソ笑った」

「さすが黙ってれば学校一の美男美女って感じで、なかなか良いものを見せてもらった。スマホがないのが悔やまれる」

「なにそれめっちゃ見たい」

「しかも珍しく花宮が爆睡してんのも見物」

「ちょ、早くシャワー終わらせて見に行こ」



なにその面白い状況。
めっちゃ見たいんだけど。

ザキと古橋の話にすぐにシャワーを終わらせて、医務室に向かった。

いや、まじで花宮が爆睡の時点でかなりレアなのに…千夏と一緒に寝てるってまじで何事? え、まじうける。

ぶっ、早く見たいんだけど。



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