さよならと嗤う | ナノ
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ていうか、あのクソ女が自分のタイミングで好き勝手出来る時点でこっちとしてはかなり不味い状況なんだよなー。

なんか、花宮達がぶっ殺した化物も最初はいなかったっぽいらしいし。なんかの条件で湧いてるならまだいいけど、あのクソ女の意思で湧かしてるってなると…クソ面倒。

自分がクローンだっていう決定的な情報を渡したくない訳だし、絶対に探索の邪魔するに決まってるし。



「で、次からの探索はまじでよく考えないと死人出るかなーって。ま、俺等も冷静じゃなかったし、たまたまボッコボコにやられただけかもしれないけど」

「いやいや、話を聞いてる限りかなりヤバいッスよね。正直、俺は行きたくないッスもん」

「高尾がそう思うくらいだし、他の奴等なんて絶対に無理じゃん? となると、必然的にまた俺等が行くしかなくなるじゃん? だけど、それだとあいつの思う壺なんだよねー」

「確かに。なので多少は危険ですが、やはりローテーションでの探索がいいかと思います」

「嫌がるんじゃねぇの? クソ雑魚の無能共は、自分達の命が大事みたいだし。ま、だからってずっと芋ってても助かんねぇけど」



そもそも、俺等が率先して探索行って、必死に情報集めてして、嫌々ながら情報まで提示してやってんのに、全く協力しねぇで文句ばっか垂れてるとか有り得なくね?

ましてや、俺と千夏に関しては死に掛けてんだけど。

最初はなんだかんだで、まじで死なれたら面倒だからって思ってたけど、なんかもう別に役に立たねぇなら死ねばって思ってる。

なんもしねぇのに、全部俺等任せで、一緒に脱出とか虫が良すぎるじゃねぇの?



「で、俺は探索に行ってもいいけど。情報共有はもうしなくていいかなーって」

「…それは、俺達もですか?」

「それはお前次第。だって、どんなに情報提示したって協力はしねぇし、千夏は疑うし。意味ねぇじゃん」

「まぁ、原くんがそう言いたくなるんはわかるわ。ほな、霧崎なしで情報手に入れて来たら…考え直してくれるか?」

「今吉さんはいいですよ、別に。千夏の事、疑ってねぇのわかってるんで。で、高尾もおまけでこっち側って事にしといてやる」

「え、あざっす」



ま、赤司がもう千夏を疑ってねぇのは結構前からわかってるけど、それでも俺は譲る気はない。

ある意味、1番発言権があって信用もあるこいつがハッキリと言わないから、こうなった訳だし。つーか、上に立つ人間ならホイホイ顎で使って指示しろよ。

使えねぇ奴は、死ぬ。
もうそれでいいじゃん。

人間、死ぬ気になれば大体の事は出来んだからさぁ。危険だからって、守られてるだけとか…絶対に許さねぇから。働けよ、クソが。



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