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で、瀬戸からまさかの出来事を聞かされて俺はちょっと笑いを堪えるのに必死である。
いや、どんだけ人望ねぇのよ。あのクソ女まじでざまぁ。
いや、そもそもあいつ人間じゃないんだった。
「黒い石像ねぇ? で、そいつが薄青い液体の瓶をくれた上に色々教えてくれたと」
「小瓶系の薬は医務室に置いとくと自動で溜まってくんだって。で、これは原が飲む訳だけど」
「え、花宮の方がよくない? 火傷だし広範囲じゃん」
「花宮が原からでいいってさ、だから原からね。後、薄青いのも飲んどいて」
「うげぇ…これクッソ不味いんだよなぁ」
で、その会話を聞いてた高尾が小瓶を2つ持ってくると俺に手渡す。うわぁ…本当に増えてて笑うんだけど。
つーか、その黒い石像は本当なら俺等を殺すはずだったんだけど…なんか俺があの女を攻撃したせいで、呪縛的なのが解除されたらしく自ら壊してくれって言ってきたらしいよ。
…いや、俺は途中で意識なかったから知らないけどさぁ。俺が覚えてる限り、黒い石像が出て来る前に既にかなりの数相手に戦ってたよね。で、そのあと更に黒い石像が出て来たって事でしょ? え、なにその無理ゲー。
だけど、まぁ…俺があのクソ女を攻撃したお陰で、薬も情報も手に入ったらしいから別にいいけどさぁ。
いやぁ…まじで下手したら死んでたね、俺等。
そんな事を考えながら、小瓶の液体を飲んで高尾に渡す。うげぇ…どっちもクソ不味い。だけど、すぐに腹部の痛みが引いてくのがわかり素直に感心する。
やっぱり回復薬やべぇ。
「どう?」
「はい、完璧に治ったー。ほら、原ちゃんのかわいい腹ちゃん綺麗になったっしょ」
「ぶふっ…原さん」
「傷痕もないし、いいんじゃない?」
「ぶっ…瀬戸さんスルースキル高過ぎ!」
「じゃあ報告に行って来ようかなー。多分、俺が1番ヤバい情報持ってるし。後、クソ女の様子見てくる」
「残念な事にもうピンピンしてますよ」
「ははっ、うっぜぇ」
なんなんだよ、まじで意味ねぇじゃん。
つーか、あいつも医務室で怪我治るのかよ。まじでふざけんな、怪我したままでいろよ。
で、ベッドから出ようとするとモゾモゾと千夏が動き出し、いきなりバッと顔を上げてちょっとビビった。え、なにいきなり。
そして俺の顔を見るなり飛び付いて来て、反射的に避け様としたんだけど…はい、後ろ壁でしたー。
「え、なに…どうしたの。は? 寝惚けてんの?」
「生きてたぁ…まじでクソ、まじでばか、本当ばか」
「え、なにキレていい?」
「それ俺にもやったから許してあげて。なんか、夢ん中で俺等の事を殺したから…このまま目を覚まさないんじゃないかって不安だったらしいよ」
「そもそも、俺が千夏に殺される訳ねぇし。舐めてんの? ふざけんな」
「余裕でわたしに殺されてましたー! まじでばか、本当ばか…あぁ、もうほんとやだ」
言ってる事は全然可愛くないどころか、かなり物騒なのに…ぎゅっと俺のシャツを掴む千夏の手が震えてて、バカだなぁと思った。
さすがに薬で精神異常は治ったけど、記憶が消えた訳じゃないだろうからねぇ。
それに俺の場合、まじで死に掛けてたからね。そりゃあ、さすがの千夏でも不安になるか。
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