さよならと嗤う | ナノ
27*(4/4)


なんか気が付いたら、普通に寝てたっぽい。まぁ、怪我もかなり酷かったから当たり前なんだけどさ。めっちゃ血流してたからね、俺。正直、死ぬかもって思ったからね、いやまじで。

で、なんかクッソ嫌な夢を見た気がするんだけど、覚えてない俺は勝ち組だと思う。

つーか、やっぱりあいつの攻撃受けたせい? なら、あの薄青い液体飲めば済むらしいから別にいいんだけどさ。

ゆっくりと体を起こすと腹部に痛みが走り、顔を顰める。ま、そんなすぐすぐ治る怪我じゃないのはわかってるんだけど。

で、何故か雑用で走り回ってた千夏が俺のベッドに突っ伏して寝てんだけど、なにしてんのこいつ。



「あれ、原もう起きたの?」

「なんか変な夢見た気がして起きた。ま、覚えてないけど」

「あ、やっぱり? 花宮もそれでさっき起きたんだよね」

「その花宮は?」

「気分も悪いし、体も気持ち悪いってシャワー行ったよ。少し良くなってたけど、火傷だからね」

「瀬戸は夢見たの?」

「うん。まぁ、確かに気分悪い夢だったけど…あのニセモノの千夏と対峙した後だからあんまりダメージなかった」



あ、やっぱり?
つーか、あれがもはや悪夢だったからね。正直、あのインパクトを越えてくる夢があるなら、それ見た瞬間に発狂する自信あるからね、俺。

いや、アレはまじで頭おかしくなるかと思ったから。まじで2度と御免だよね。まぁ、あのクソ女の事だからまたやりそうだけどさ。

で、ザキは安定の爆睡で古橋も珍しく寝てるっぽい。つーか、千夏以外がダウンしてるこの現状がうける。いや、俺等どんだけ必死だったの。



「原さん、怪我の具合はどうッスか? なんか必要なもんとかあれば、持って来ますよ」

「で、千夏が爆睡してるから高尾がここにいるって事?」

「ぎゃはは、そういう事ッスね。でも千夏さん、めっちゃ原さん達の心配してたんで疲れたんじゃないッスかね」

「いや、逆だから。元は言えば、千夏が精神破壊寸前まで追い込まれたのが悪いから」

「いやぁ…アレは、まだ付き合い短い俺ですら、かなりキツかったスからねぇ」

「まぁ、ちゃんと元に戻ったし。無茶した甲斐があったよね〜瀬戸」

「無茶したの主に原だけどね」



いや、最後の方とか俺意識なかったし。多分、瀬戸がどうにかしてくれたんでしょ。

で、1番動けたザキは俺等の運搬係。まぁ、瀬戸もかなりの怪我してたし、多分ザキを温存させてた感じ? ま、それが正解だよね。

俺、使いもんにならなかったし。むしろ、お荷物化してたからね、情けないけど。



(で、気になってたんだけどさ)
(あ、あの女の怪我の事?)
(そう、それ)
(俺が殺す気で頭撃ち抜いた)
(ぶほぉっ…ちょ、まじすか)
(いや、ムカつき過ぎてさぁ)
(千夏の姿だった?)
(うん、声までバッチリ)
(…それで撃ったんスか)
(ま、中身完全に違ったからね〜)
(いやぁ…原さんメンタル強過ぎっしょ)
(そうでもないよ、結構ギリギリ)
(さすがに声まであるとしんどかったよね…)

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