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痛みに堪えながら、ベッドの上で次はどこをどう探索するかを考えていると、バタバタと医務室に入って来る誠凛の連中と…あの女。
そして険しい顔をした赤司。
「っ、…愛、大丈夫かよ!?」
「う、うん…だ、大丈夫だよ」
「…原因はわかりませんが、ここで休んで怪我を治して下さい」
「ありがとう、赤司くん。急に頭が痛くなって…気が付いたら血が出てて…、」
「…痛いですよね? 愛さん、何か欲しいものとかありませんか?」
「大丈夫だよ、テツヤくん。心配掛けてごめんね」
…あ?
赤司がわざとらしく俺に聞こえる様に、あの女が原因不明の負傷をした事を口にした。
意味がわからねぇ。
…まさか、誰かに撃たれたのか?
いや、それならさすがにべったりと常に近くにいる誠凛の連中が嫌でも気付くはず。
じゃあなんだ? 能力の使い過ぎとか…か?
…となると、原達の生存が怪しくなるが。そこまで能力を使わせたって事になる。
クソ、絶対に帰って来いよ。
情報抱え死には許さねぇぞ。
「おい、古橋」
「あぁ、わかった」
「手は」
「なに、花宮に比べたら擦り傷の様なものだ。気にしなくていい」
「わりぃな」
「あぁ、すぐに戻る」
すぐに古橋を今吉さんのところへ向かわせる。何が起こったのかは、医務室にいた俺等は見てねぇからな。
あの女が負傷したのは、わかったが…誠凛に詳しく聞くつもりはねぇ。そもそも、あいつ等が素直に答えるかも怪しい。
あの状態の千夏を見て、逆にクローンだからおかしくなったとか言ってる奴等だ。まともに話が出来る気がしねぇ。それに、あの女がここにいる以上…余計な事は言わねぇだろうしな。
そして暫くして、飲み物を持った古橋が戻って来るとペットボトルを渡しながら、俺だけに聞こえる声のトーンで話し出した。
「急に頭を抱え出して、何か叫んだかと思ったら頭から血を流していたらしい」
「キチガイかよ」
「まさに。なんの前触れもなく、だったらしい」
「そもそも、あの女は何してたんだよ」
「どうやら、寝てた…らしい」
「へぇ…寝てた、ねぇ?」
つまり、夢の中で何かあったって事か? 千夏があんだけ夢ん中でめちゃくちゃにされてんだから、有り得ねぇ話しでもねぇよな。
だが、なんであの女にまで影響がある? むしろ、千夏に悪夢を見せて精神破壊させ様としているのはあいつなはず。まさか、自分にまで害があるとかそういう感じか?
いや、なら今まで千夏が悪夢を見た時にあの女に何も起こらないのはおかしい。
チッ…わかんねぇな。
そもそも、化物の生態とか能力なんて知る訳ねぇだろ。
(それと、千夏だが…)
(反応あったか?)
(あぁ…何故か謝られた)
(は?)
(どうやら、千夏の中で俺は死んでるらしい)
(あぁ…そうだったな)
(酷く自分の手を見つめていた)
(どんだけ囚われてんだ、あいつ)
(花宮が行ったら発狂しそうなくらいには)
(だろうな)
(まぁ…名前は覚えてなさそうだったが)
(ふはっ…いよいよ、やべぇな)
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