さよならと嗤う | ナノ
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はぁ、まじで露骨過ぎて笑う。
いや、まぁ…さすがにそう簡単にやられないけど。

石像の前まで行くと、わかりやすく箱を取れと言わんばかりに何も起こらず、後ろで待機してる瀬戸とザキに合図を送ってから箱に触れた。

その瞬間、石像が俺の腕を掴みニヤリと笑いながら立ち上がり力任せに俺に覆い被さって来たから、普通に俺から突っ込んで逆に押し倒してやった。

伊達にラフプレーしてねぇんだよ、ナメんな。

んで、そのまま石像の頭をかかとで踏み抜く。思ったより脆くて、頭を破壊したせいか石像の動きが止まった。


そしてそのまま、転がってる箱に手を伸ばすと…自分の手にナイフが突き刺さる。

余りにも突然過ぎて、激痛よりも驚きの方が大きかった。

警戒もしてた、瀬戸とザキの声もしなかった。なのに、なんでナイフで刺されてんの? くっ…、意味がわかんねぇんだけどっ…!!

勢い任せにナイフを引き抜き、バッとその場から飛び退き…いつの間にか増えていた石像の頭を蹴り砕く。

そして周りを見渡す。



「ははっ、まーじでクソ過ぎっしょ」

「――――――!!」

「――――――」



必死に何かを訴えてる瀬戸とザキがガラス越しに見えた。つーか、美術室ん中に入ってんじゃん。何やってんのお前等。

それより、どうなってんのこれ。

後ろにはガラス向こうには、ナイフと銃で必死にガラスを割ろうと切羽詰まった顔をしている瀬戸とザキ。で、俺の目の前には石像が座ってた椅子がある訳で…その奥にいつの間にか壁だったはずなのにドアがあった。

うわぁ、めっちゃ煽られてる。絶対に入れって言われてるよね、これ。つーか、あの調子だとガラス割れなさそうだし。戻るに戻れないよね。

あーあ、嫌だなぁ。

美術室ってだけで嫌な予感してんのにさぁ。既に利き手は使いもんにならないし? つーか、これ俺等だからまだ生きてるけど…他の奴等だったら、多分全員が閉じ込められてるよね。

いや、ある意味…ザキと瀬戸も閉じ込められてはいるけど。


とりあえず、軽く周りを銃で撃ったりして何かないか探してみたけど、まぁ何もなかったよね。

だから、まぁ…ドアに入るしかなくて相変わらずガラスと戦ってる2人にばいばーいと手を振ってから、小さな箱を拾ってドアを開けて中に入った。

なんか凄いガラスを叩く音が聞こえた気がしたけど、今更だから振り返らないよん。

大丈夫大丈夫、俺が余裕で全部ぶっ殺してくるから。


だから、ザキと瀬戸も死なずに待っててねー。


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