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激しい爆発音と不快な音と共に飛び散る何か…。
死んだのか確認をする為に階段から身を出すと、見るも無惨に爆散した化物の肉片なんだか…よくわかんねぇもんが飛び散っていた。
が、おかしい。
「チッ…古橋! よく見とけ、どっかに核がある!」
「…核?」
「肉片がところどころで集まってんだよ! 死んでねぇ!!」
「……なるほど、厄介だな」
「!! あれだ、あの赤い塊を撃て!」
爆散した肉片がうねうねと虫のように動き、小さな塊になっていくのに気付き…すぐにその塊に向かって銃を撃ち、塊を破壊する。
それを見た古橋も、目に付いた塊を片っ端から撃っては破壊していく。そして、核となる部分を見付け古橋に伝える。
あれだけ振動してるのにピクリとも動かねぇって事は、最終的にあそこに集まるからだろ。
そして俺が言った赤い塊に向かって容赦なく銃を撃ち込む古橋。すぐに俺も続けて撃ち込むが、なかなか破壊出来ず周りの肉片も塊になりつつあった。
チッ…
「古橋、テメェはそこで撃ち続けてろ!」
「っ! 花宮っ…!?」
「いいから、手止めんじゃねぇ!」
一か八か、核であろう塊にナイフを突き立てる。思っていた以上に固いそれに、突き立てたナイフを思いっきり踏みつける。固かった感触が無くなったかと思ったら、一気にナイフが刺さり勢いよく黒い液体が吹き出し…思わず飛び退く。
いっ…クソッ、そういうタイプかよ。
黒い液体をそれなりに浴びた俺の体に激痛が走る。
肉が焼ける嫌な匂いと、激しい痛みに思わず膝をつく。
「花宮!!」
「っ、来んなよ」
「だが、」
「核は破壊したから復活はしねぇはずだ…だが、この黒い液体には触れんな」
「……いや、そういう訳にはいかない。ふっ、1人で背負うのは狡いぞ」
「ふはっ…テメェは、本当にバカだな」
あぁ、こいつはそういう奴だった。情けなく膝を付いたままの俺を通り過ぎ、核があった場所へ躊躇なく向かい…古橋が真っ黒な液体に濡れた歪な形をした小さな箱を手に取った。
その瞬間、肉の焼ける嫌な音と古橋の苦痛の声が聞こえた。
だから、触るなって言ったんだよバァカ。
そして苦痛に歪む表情を隠す訳でもなく、ただ大事そうに箱を抱えてこちらに戻ってくる古橋に、ゆっくりと立ち上がる。
「…思ったより痛いな」
「当たり前だ、バァカ」
「酸性の液体か、目は大丈夫か?」
「んなの、1番に守ったに決まってんだろ。そこまでバカじゃねぇよ」
「ふっ、だろうな。変わりに顔以外はボロボロだが」
「チッ…これで探索しても無駄だ。1度戻るぞ」
クソッ…思ったよりダメージが大きい。
じわじわと皮膚を焼いている酸に、Yシャツを無理矢理脱ぐと激痛が走る。
チッ…いてぇな、クソ。
仕方なく近くの水道に向かい、軽く水で体を流すが…余りの激痛でまたしても膝を付く。
結局、古橋に肩を借りる形で体育館に戻る事なり…2階と3階の階段にナイフで壁に×印を書いてから足早に体育館へ向かった。
先に体育館に戻る時の目印だ。
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