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あぁ…少なからずシャワーを浴びてスッキリはしたけど、やっぱりまだ頭がぐるぐるしてて…気持ち悪い。
ふらつきながら着替えを済ませて、今吉さんを呼ぶとすぐに来てくれた。
「…まだあかんか?」
「頭がぐるぐる、して…気持ち悪い、です…」
「…ここにおるか? 医務室は、嫌やろ? 体育館も…周りの目があって落ち着かんやろうし」
「……大丈夫、です。体育館で座ってれば…落ち着くと思うん」
「今吉さーん? 高尾ッス。赤司と花宮さんが至急来てくれって言ってるッス。千夏さん、まだ無理そうッスか?」
不意に聞こえたノック音と声に自然とドアの方を向く。
…あぁ、そうだった。
今吉さんは、まとめ役でわたしなんかに構ってる暇はないんだった。ゆっくりとわたしを支えてくれてる今吉さんから、離れて顔を上げる。
大丈夫、もう大丈夫。
今吉さんには、いっぱい甘えさせて貰った。わたしは、何もしてないって…ハッキリ言ってくれた、だから大丈夫。
「千夏、」
「もう、大丈夫です。…体育館の隅で大人しくしてるんで、行って下さい」
「…わかった。せやけど、まだ歩くん無理やろ。連れてったるから」
「…すみません」
さすがに迷惑を掛け過ぎてるので、もう大丈夫だと言うしかない。それに、大分…落ち着きはしたから平気だと思うし。
まだ真達に会うのはちょっとキツいけど。
そして今吉さんに支えて貰いながら、シャワー室を出ると高尾が驚いた様に目を見開きわたしを見つめた。だけど、なんか本気で何も感じなくて…スッと目を反らして今吉さんに体育館の隅に連れてって貰った。
「ありがとうございます」
「ほんまに平気か?」
「大丈夫です。でも…まだちょっと誰も近付けさせないで下さい」
「わかった。ほな、話が終わったらすぐ戻って来るから…ええ子にしててな」
「……はい」
「そや、これ着とき。お揃い、嫌なんやろ?」
「…ははっ、ありがとうございます」
ゆっくりと床にわたしを座らせると、今吉さんは自分が着ていたセーターを脱いでわたし肩に掛けると、ポンポンと頭を優しく撫でてから足早に去って行った。
今吉さんの背中を見送り終わる前に膝を抱える。
あぁ…ヤバい。
自分が自分じゃないみたいで、色々とおかしい。こんなに弱かったかな、わたし。
なんかあの女への怒りとか、もはや…色々とギリギリ過ぎてどっか行ったし。胸が変にざわざわして落ち着かない。
相変わらず、頭も気持ち悪いし。まじで有り得ないんだけど…どんな呪いだよ。
必死に自分を思い出す様に頭を働かせるが、余計に混乱してまた吐き気に襲われて…わたしは考えるのをやめた。
今は何も考えなくていいや。
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