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…もう、さすがに驚きはしないけどやっぱり少し怖いとは思う。だって、相手は生きてないし。なにより、こっちを攻撃して来てる訳だし。
「おい、ボーッとしてんな。テメェは教室に入ってろ」
「っ…わかった」
「花宮、すぐ倒していいのか?」
「いや、行動パターンが見てぇから出来る限り避けろ」
「あぁ、わかった」
「おい、千夏。教室ん中にも、なんかいるかもしんねぇから注意しろよ」
「…わかってるよ」
邪魔にだけはならない様にしようと決めたのに、やっぱりこうして役に立たないのを目の当たりにすると…付いて来ない方がよかったんじゃないかと思う。
今からでも1人で探索するべきなんじゃなかろうか。
だけど複数のゾンビに囲まれているに、わたしの背中を軽く押して教室に押しやる真に何も言えなくて、そのまま素直に教室に入った。
…、パッと見渡す限り特に何も無さそうに見える。
だけど、ただ待ってるだけとか有り得ないから、何かないかと薄暗い教室内を見渡す。
…机と椅子の散らかり具合からして、わたしと一哉がいた教室じゃなさそうだ。多分、あの教室も2階だったし、この教室に近いとは思うけど。
うーん。やっぱり、特に目星い物はないかな…いや、おかしくない?
不意に目に入った時計を見ると、わたしが知ってる時間じゃない。
"1時15分"
時計が止まった時間が違うって事? それともなんか意味があるって事?
「おい、千夏!!」
「えっ…なに」
「さっさと来い、逃げるぞ」
「はっ…え、ちょ!!」
「古橋、行け」
「あぁ」
時計を見ていたら真が急に教室に入って来たかと思ったら、わたしの腕を掴むとそのまま走り出した。
そして何故か、康次郎が途中で別方向へ走って行った。え、なにがどうなってんの?
しかし大量のゾンビに追い掛けられてる身としては、そんな余裕もなくて必死にただ走った。
そして突き当たりを曲がると、真が急に足を止めた。
「おい、ここで殺るぞ」
「はっ…はぁっ…は?」
「直線だからな、囲まれる心配もねぇ。お前は、後ろだけ見とけ」
「ちょ、真なに言っ」
「おせぇよバァカ」
「すまない、思った以上に花宮達が早かった」
え? なんで康次郎?
さっき別れたはずの康次郎が、ゾンビを蹴り飛ばして登場した事に更にわたしの頭は混乱している。
しかもゾンビは、何故か康次郎の方を全く見ていない。それどころか、なんの躊躇もなくわたしと真の方に向かって来ている。
そんなゾンビの頭を容赦なく蹴り飛ばす真。もはや、ゾンビ達が真に頭を蹴り飛ばされに来ているんじゃないかとさえ思えるくらい、流れるように真がゾンビの頭が飛ばしていった。
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