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痛い、痛い、痛い痛い痛い。
そんな目でわたしを見ないで。わたしは違う。わたしじゃない。
そんな顔しないで。
違う、知らない、わたしじゃない。
"
千夏がニセモノだったんだな "
……ちがっ…違うっ!!
嫌だ、わたしは殺ってない。
殺ってない、殺ってない!!
真っ赤に染まった見慣れた彼等と突き付けられるナイフ。
「っ…千夏!!」
「…はっ、はぁっ…ひ、ろし…?」
「大丈夫かよ…かなり魘されてたぜ」
「……っ、最悪…寝るんじゃ、なかった…」
「またなんか見たのか?」
結局、わたしの怪我が治るまでかなりの時間が掛かりそうだったので嫌々ながら寝た結果…もう色々と最悪過ぎてヤバい。
尚、弘は怪我が治ったので一哉に蹴って起こされた挙げ句ベッドから落とされてた。まじで可哀想。怪我を治すはずなのに、痣を増やすスタイル。
ちなみに一哉と康次郎も眠かったらしく、わたしが寝てるベッドに寄り掛かる様に寝てるみたいで、弘しか起きてなかったらしい。
で、この精神攻撃である。
うえっ…吐きそう。
頭の中が気持ち悪い。
自分でも涙で視界が滲んでいるのがわかる上に、冷や汗がヤバい。もう全体的に気持ち悪いし、不快でヤバい。
口に手を当てたまま、黙り込むわたしに弘がソッと背中に触れた瞬間、何故か体が拒否反応を起こすかの様に弘の手を払い除けた。
ち、違う…そんなつもりはなかった。
驚いた顔をしている弘に違うと否定の言葉を発しようとした瞬間、急に強烈な吐き気に襲われそのまま蹲る。
…なに、これ。
「…原! 古橋、起きろ! 千夏、花宮呼んでくっから…待ってろ」
「…うっ……」
「んー、なに? うっさいんだけっ…千夏?」
「…千夏、どうかしたのか?」
「………っ、」
…ダメだ、喋れない。
吐く、まじで吐く。
何もかもがぐちゃぐちゃにされてるみたいで、自分の体が自分のものじゃないみたいで…全てを拒否しているかの様に体が気持ち悪い。
ヤバい、これ…かなり辛い。
気持ち悪過ぎて死にたい。
さすがに寝起きの一哉と康次郎もわたしの異変に気付いた様で、わたしに必死に何かを話し掛けているが…全然耳に入って来ない。
そして想像以上の吐き気に、ついには嘔吐く始末。
「はっ…ちょ、まじで何がどうなってんの?」
「…大丈夫か? 吐けるなら出した方がいい」
「っ…うぇ…うっ…」
「…原、冷たい水を持って来てくれ。それとタオル類も頼む」
「わかった」
必死に康次郎が、蹲ったままのわたしの背中を擦ってるくれてるのがわかる。
だけど、吐き気は一向に治まる気配がなく…もうまじで辛い。嘔吐いても何も出ないし、何よりかなり体力を使う訳で…色々と最悪過ぎる。
なんかもうカエルかよってくらい、えぐえぐしまくってた。
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