さよならと嗤う | ナノ
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真と健ちゃんが医務室から出て行くのを見送ってから、ベッドに肘を付いてる一哉に向き直る。



「で、なんの話? 武器についてって」

「色んな武器があった話は聞いたっしょ?」

「うん。でも体育館では使えないかもって事とかも、なんとなく聞いたけど」

「ところがぎっちょん」

「…あの女にだけ有効かもしれない、らしい」

「ちょ、康次郎が近過ぎて怖い。え、なにわたしに迫って」
「それはない、やめてくれ」

「即答やめろ」

「つまり、俺等には全く害がなかったんだけどー。ある人物には影響があったみたいな?」



とりあえず、無駄に近かった康次郎を突き飛ばしつつ、一哉の方を向くとニヤリと至極愉しそうに笑っていた。

…ほーん? つまり、あの女には武器が有効だったって事? いや、でも " かも " って言ってるくらいだから確証はまだない感じなのか。

それにしても体育館で色々試したけど、傷ひとつ付かなかったんじゃないの? それでなんで、あの女に有効かもって思った訳? え、もしかして試し撃ちであの女を撃ったんですか!



「そんな嬉々とした顔されても、さすがに人に向かって試し撃ちはしてないから」

「心読むのやめろ」

「顔に出てたんですー。で、理由だけど手榴弾を試したのは聞いた?」

「うん。正直、バカなんじゃねぇかなって思った。体育館なんかでしかも、距離も取ってないのに使ったら普通に爆風で偉い事になるよね。むしろ、下手したら全滅してたまであるよね。だからその事については、一哉と赤司を止めなかった真にボロクソ言ったし」

「お、さすがー。そこなんだよねん。俺等は、音だけで全く爆風もなーんも感じなかった訳よ。ある人物を除いては」

「へぇ…?」

「最初は音でビックリしたのかと思ったけど、なんか変だな〜って花宮に確認したら〜やっぱり? みたいな」

「俺が見た時にかなり離れた場所で尻餅を付いてたな」



ふぅん…なるほど?
それはそれは愉しそうだ。

つまり、あの女は爆風で吹き飛んだ可能性があるって事だよね。

で、本当に害がないのか確認する為に一哉と弘がまさかのナイフで刺し合いをしたらしいが、お互いに無傷だったとの事。やっぱり、一哉と弘は頭がおかしいんだと素直に思った。尚、止めなかった康次郎と健ちゃんもかなりやべぇ奴である。

その結果からみて、あの女とゾンビにしか武器が効かない可能性があると。まぁ、ゾンビに効かなかったら意味ないしね。

ていうか、早く試したい。
銃とか手榴弾とかめっちゃ使ってみたい。



(どさくさに紛れて手榴弾で吹き飛ばしたい)
(絶対に言うと思った。うける)
(わたしは、むしゃくしゃしている)
(尚、千夏にも効く可能性)
(クッソ、それはヤバい)
(いや、それはないっしょー)
(わたし寝てたし、可能性あるっしょ?)
(んー、瀬戸が抱っこしてて反応しなかったし)
(瀬戸が不能説)
(まじで康次郎、黙ってて)
(髪も揺れなかったらしいし、平気じゃん?)
(健ちゃん有能過ぎ、大好き)
(あ、そういえばまさかの甘え状態だったよ)
(…まじかよ、死にたい)

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