さよならと嗤う | ナノ
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そして医務室に入るなり、一哉達が爆笑し始めてキレそうになった。はいはい、どうせこの格好の事でしょ。



「クッソ可愛くて草」

「もはや、誰だよ」

「本当になんでも似合うな」

「しかも髪の毛が濡れてんのが、更にえっちだと思いまーす! セーター着てなかったらYシャツ透けちゃいまーす!」

「……あ、だからか」

「今更かよ。やっぱり痴女じゃねぇか」



うるせぇ、バカ。
そもそも、学校でYシャツ1枚でいる事がないからそんなの知るかよ。ていうか、いつもの感じで中にキャミ着てる感覚なんだから仕方ない。

ていうか、怪我を治してるはずの弘が起きてるのに健ちゃんが寝てるっていう。いや、いつも通りだけど。なんかここに来てから、健ちゃんが寝てるの見てないからちょっと新鮮に感じる。

とりあえず、弘の隣は空いてないんですね。つーか、空いてんの端かよ! しかも隣が日向とかどんな嫌がらせだよ、絶対に嫌だからな。

……!



「弘もうちょい詰めて」

「は? なんだよ?」

「わたしもこのベッドで寝るから」

「!?」

「ザキの貞操が危ない」

「ふはっ、本格的に痴女じゃねぇかよ。手に負えねぇな」

「お前達は、1回しね。それにわたしにも相手を選ぶ権利あるからね」

「アハハッ! 千夏、酷過ぎー!」



日向の隣で寝るくらいなら、弘と一緒に寝た方がマシ。しかも、弘なら更に安心。きっと、わたしになにもしないだろうし。ま、何かしたところで返り討ちにしてやるけど。再起不能は覚悟しとけよ。

そしてゲラゲラと笑う一哉と真に、顔を真っ赤にさせて怒ってる弘である。ていうか、康次郎が本気で弘の心配しててキレそう。 ねぇから、マジでねぇから。さすがに弘の童貞は要らないから。いや、本当に童貞かどうか知らんし興味もないけど。

とりあえず、ベッドに入り込む事には成功したのでもうなんでもいいや。これでこのままベッドの上で適当に時間を過ごせば、怪我が治るんでしょ。なにそれ、マジで魔法のベッド。



「あ、今吉さん。赤司にあのベッド使う様に言ってあげて下さい。あいつも怪我してたし」

「いや…まぁ、ええか。ほな、怪我が治るまで大人しくしとるんやで」

「はーい」

「ほな、山崎くん…頑張りや!」

「いや…何をですか!?」

「ザキに千夏とか無理過ぎ、ハムスターがゴリラに挑むレベルで無理ゲーだよねん」

「誰がゴリラだ、殺すぞ」



とりあえず、お前等はもう少し静かにしろ。一応、ここ医務室だからね? 寝てる奴もいるからね? そこでずっと寝てる健ちゃんとかな。

ていうか、紫原は寝てんのか。まぁ、かなり酷い怪我してたし当分は起きなさそう。ていうか、怪我が治るまでかなり時間掛かりそう。

つまり、わたしもそれなりに時間が掛かるのでは? え、クッソ暇じゃん。やっぱり寝ようかな、さっきかなり寝たし…悪夢を見る気がするけど寝ようかな。


(暇だから寝るわ)
(いやいや、寝過ぎじゃね?)
(だって起きてても暇だし)
(じゃあ色々考えよーぜ)
(てか、真は怪我してないの?)
(ふはっ、してる訳ねぇだろ)
(真が黒幕なんじゃね? 無傷だってよ)
(ま、他にも無傷の奴はいるけどねー)
(役に立ってない奴は無傷、はっきりわかんだね)
(花宮無能説)
(これは酷い)
(テメェ等まとめて死にてぇんだな?)
(俺なにも言ってねぇのに!)

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