さよならと嗤う | ナノ
21*(2/4)


うわぁ…面倒くせぇ。
クソ面倒くせぇ。

シャワーを浴び終わって個室から出ると、赤司以外が髪を乾かしていました。

ちなみにわたしの服装はシンプルに白地に黒ラインが入ったYシャツと紺色のチェックスカート。リボンとブレザーとセーターは、お揃いが嫌だからなし。今は寒くはないし、別にこれでいい。

スカートがお揃いのは死ぬ程、不快だけど…まぁ仕方がない。Yシャツは何種類かあったから、これにした。

で、髪の毛を軽くバスタオルで拭きながら洛山の連中をスルーしようとしたら、実渕に捕まった。



「こーら、千夏ちゃん! 髪の毛は乾かさなきゃダメよ」

「相変わらず、クソ馴れ馴れしいな実渕」

「しかもその制服も可愛くて似合うじゃない! 顔が良いって得よねー」

「人の話聞けよ」

「てーか、この首の痣痛そー!」

「痛くねぇし、触んな」

「ほらほら、ここに座んなさい! 髪の毛やってあげるから」


そして話を聞かない実渕に、便乗するかの様に絡んでくる葉山。まじで面倒くせぇ。

とりあえず、実渕の言葉を無視してドアへ向かう。髪の毛とか適当にタオルで乾かすから、要らん。ていうか、時間が惜しいからいい。

あ、そういえば赤司いなくね? 仕方なく、振り向き赤司がいない事を確認して嫌々だが口を開く。



「赤司が出て来たらお礼言っといて。で、わたしは医務室に行ったって伝えといて」

「お前がお礼とか偽物か?」

「黙ってろ筋肉ゴリラ」

「おう! 俺の筋肉はすげぇぞ!」

「脳みそまで筋肉かよ、しね」

「相変わらず、口わっる〜い!」

「お前もキャンキャンうるせぇんだよ」



日本語が通じない筋肉ゴリラとうるさい葉山は無視して、1番まともそうな黛さんを見つめた。ていうか、いたんですね。こいつ等が色々と濃過ぎて、影の薄さに拍車が掛かってやがる。

しかし、黛さんから返事はなかった。ま、黛さんが伝えなくても実渕が伝えそうだからいっか。


「なぁ、あんた」


そして再度ドアを開けようとしたら、騒がしい3人の声と比べてかなり落ち着いた声色で声を掛けられ、ゆっくりと振り返る。



「なんです?」

「靴下は履かないのか」

「……は?」

「あ、本当だ。千夏、靴下履かないのー?」

「……はぁ、忘れてました。実渕、適当に取ってきて」

「もーうわかったわ。なんでもいいのね?」

「いいから早くして」

「頼んでおいて偉そうね!」



そして実渕が持って来た靴下を履いた訳だが、なんかもう…突っ込むの面倒くせぇ。そして自分で違う物を取りに行くのも面倒臭いから、もういいや。

黒タイツってなんだよ、どんな趣味だよ。そもそも、靴下じゃねぇし。しかもすぐ破れるだろ、これ。だったらまだニーハイとかの方がマシだった。ていうか、普通の黒ソでよかったんですけどね。バカかよ、クソが。

そしてわたしはそれはそれは器用にタイツに履いて、シャワー室を出ました。こいつ等に構ってる暇はないんだよ。


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