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うわぁ…面倒くせぇ。
クソ面倒くせぇ。
シャワーを浴び終わって個室から出ると、赤司以外が髪を乾かしていました。
ちなみにわたしの服装はシンプルに白地に黒ラインが入ったYシャツと紺色のチェックスカート。リボンとブレザーとセーターは、お揃いが嫌だからなし。今は寒くはないし、別にこれでいい。
スカートがお揃いのは死ぬ程、不快だけど…まぁ仕方がない。Yシャツは何種類かあったから、これにした。
で、髪の毛を軽くバスタオルで拭きながら洛山の連中をスルーしようとしたら、実渕に捕まった。
「こーら、千夏ちゃん! 髪の毛は乾かさなきゃダメよ」
「相変わらず、クソ馴れ馴れしいな実渕」
「しかもその制服も可愛くて似合うじゃない! 顔が良いって得よねー」
「人の話聞けよ」
「てーか、この首の痣痛そー!」
「痛くねぇし、触んな」
「ほらほら、ここに座んなさい! 髪の毛やってあげるから」
そして話を聞かない実渕に、便乗するかの様に絡んでくる葉山。まじで面倒くせぇ。
とりあえず、実渕の言葉を無視してドアへ向かう。髪の毛とか適当にタオルで乾かすから、要らん。ていうか、時間が惜しいからいい。
あ、そういえば赤司いなくね? 仕方なく、振り向き赤司がいない事を確認して嫌々だが口を開く。
「赤司が出て来たらお礼言っといて。で、わたしは医務室に行ったって伝えといて」
「お前がお礼とか偽物か?」
「黙ってろ筋肉ゴリラ」
「おう! 俺の筋肉はすげぇぞ!」
「脳みそまで筋肉かよ、しね」
「相変わらず、口わっる〜い!」
「お前もキャンキャンうるせぇんだよ」
日本語が通じない筋肉ゴリラとうるさい葉山は無視して、1番まともそうな黛さんを見つめた。ていうか、いたんですね。こいつ等が色々と濃過ぎて、影の薄さに拍車が掛かってやがる。
しかし、黛さんから返事はなかった。ま、黛さんが伝えなくても実渕が伝えそうだからいっか。
「なぁ、あんた」
そして再度ドアを開けようとしたら、騒がしい3人の声と比べてかなり落ち着いた声色で声を掛けられ、ゆっくりと振り返る。
「なんです?」
「靴下は履かないのか」
「……は?」
「あ、本当だ。千夏、靴下履かないのー?」
「……はぁ、忘れてました。実渕、適当に取ってきて」
「もーうわかったわ。なんでもいいのね?」
「いいから早くして」
「頼んでおいて偉そうね!」
そして実渕が持って来た靴下を履いた訳だが、なんかもう…突っ込むの面倒くせぇ。そして自分で違う物を取りに行くのも面倒臭いから、もういいや。
黒タイツってなんだよ、どんな趣味だよ。そもそも、靴下じゃねぇし。しかもすぐ破れるだろ、これ。だったらまだニーハイとかの方がマシだった。ていうか、普通の黒ソでよかったんですけどね。バカかよ、クソが。
そしてわたしはそれはそれは器用にタイツに履いて、シャワー室を出ました。こいつ等に構ってる暇はないんだよ。
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