さよならと嗤う | ナノ
02*(2/4)


別に優しい言葉を掛けて欲しい訳じゃない。そもそも、こいつ等にそんなものは求めてない。

だから、別にいい。
それに状況が状況だし? わたしがいて足手纏いなら、切り捨てるのは仕方がない。

この怪我を見ればわかるけど、…多分、死ぬこともあるだろうし。



「ほんと、千夏って可愛くないよねー」

「お陰様でね」

「それで、花宮どうすんの?」

「…」

「途中で泣き言、言ったらマジで置いてくからな」

「1回、マジで俺等が置いてったからやめてあげて」



どうやら、一応は連れてってくれるらしい。

そして、赤司や今吉さんに説明して来るから待ってろ、と去っていく真に少しホッとする。

だけど、思っていた以上に腕が熱くて痛い。まぁ、今更ここに残る気は更々ないんだけど…本当にみんなの邪魔にだけはならない様にしよう。

なんだかんだで、わたしはこいつ等が好きだし。ていうか、裏表がないというか…いや、真は裏表激しかったわ。



「おい、行くぞ」

「オッケー、じゃあ俺等は1階の東ね。千夏はどっちに来んの?」

「別にどっちでも」

「テメェはこっちだ。なんかあったら、先に体育館に戻れよ」

「おう、わかってるって! じゃあ行こうぜ!」

「花宮達も気を付けてね」



どうやら、わたしは真と康次郎と一緒に2階の西側の探索に行くらしい。そして一哉と弘と健ちゃんが、東側の1階の探索をするらしい。

ていうか、本当に体育館の中だけ明るいんだね。なんていうか、マジでホラゲーかよ。

しかも体育館には、ゾンビは近寄って来ないらしい。いや、本当かどうかは知らないけど。まぁ、明るいからとかそんな感じ? よくわからないけど。



「ていうか、話し合いって何を話し合った訳?」

「あ? ここに誰がいるかの確認と、体育館に来るまでの情報共有だよ」

「…ふーん。で、誰がいんの?」

「誠凜、海常、秀徳、桐皇、陽泉、洛山の奴等。ちなみに誠凜の女監督と桐皇のマネージャーもいる」

「あぁ…ふーん。それでなんか有力な情報はあったの?」

「あ? んなもんねぇよ。だから探索しに来てんだろ」



…えぇ、何もわからないからって、とりあえず探索しようってなるのは百歩譲ってわかるけど…なんで霧崎に頼んだんですかねぇ?

アレかな? お前等なら死んでもいいから様子を見て来い的な? はは、有り得る。

まぁ、別にそういう扱いには慣れてるし? 今更、気にしたりはしないからいいけどさ。

そんな事を思いながら、真の後ろを慎重に歩いた。


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