さよならと嗤う | ナノ
21*(1/4)


へぇ、案外普通。

赤司の案内でシャワー室に来たんだけど、めっちゃ普通でなんかつまんない。

ていうか、まだ普通にシャワー使ってるやついるじゃん。しかも全員が洛山らしいよ、面倒くせぇメンバー過ぎて笑った。



「最大で6人までなので、学校別にしたんですが…霧崎の方達は最初に済ませたので」

「だから、あの制服を着てた訳か。……もしかして、わたしもそれ着る感じ?」

「そうなりますね。今着ている物は、花宮さんの物みたいですが…汚れてますし」

「うげぇ…全員とお揃いとか吐きそう」

「着替えは、女性用はこちらにありますので…準備が出来次第どうぞ」

「あんたは浴びないの?」

「……いえ、浴びますけど」



……ほほーん? なるほど?
なんか、久し振りにまともな女扱いをされた気がする。ま、多分わたしが言った"わたしに何かあったら困るだろうが"って言葉も気にしてくれてんだろうな。

ま、さすがに素っ裸でも生命の危機を感じたら、わたしは飛び出しますけどね。そもそも、洛山の奴等なら多分大丈夫でしょ。ていうか、腕っぷしで負けそうなのゴリラの根武谷くらいだし。護身用に格闘技をやっていたわたしをなめてもらっちゃ困る。

ていうか、あんたがいないと多分また誠凛とかキセキがうるさいから早く戻った方がいいと思うんだよね。まず、真の指示は聞かないだろうし。で、今吉さんもいるけど…あの人もあの人で人望ないからな。



「時間の無駄だから、赤司も浴びちゃいなよ。何かあっても、自分で対処出来る自信あるから」

「…だからと言って、ここで脱ぐのはどうかと思います」

「まさか、女の裸を見た事がない訳じゃないっしょ? いいからさっさと浴びて来いよ。わたし、ここ使うから」

「わかりました。きちんとバスタオルは持って下さいね。渡しに行きませんから」

「わたしの裸をどんだけ見たくないんだよ! いや、別に見せたくないけど」

「やはり…痴女ですか」

「全部脱いでねぇだろ、殺すぞ」



とりあえず、さっさとシャワーを浴びよう。そして早いとこ、脇腹の怪我を治したい。ま、ベッドに横になってるだけで怪我は治るらしいから、寝なくて済むし。

そして久し振りのシャワーを頭から浴びながら、所々痛む体にイラッとしつつ手早く済ませる。

なんか、外から騒がしい声が聞こえる辺り…葉山とか根武谷がシャワーを浴び終わったと予想。実渕はなんかシャワーとかクソ長そうだし、偏見だけど。後、黛さんだっけ? あの人は、我関せずってタイプっぽいから気付いたら居なさそう。

ていうか、このシャンプー臭いんだけど。なにこの安っぽいクソみたいなシャンプー。髪の毛ギシギシになりそうで、キレそう。

後、下着まで常備されてるとかキモすぎて吐きそう。だけど、さすがにノーブラノーパンは不味いので使いますけど。ていうか、なんで女子はスカートなんだよ。男用でいいからズボンくれよ、サイズあるんじゃねぇの? いや、でも…ズボンだと蹴りにくいかなぁ。

そんな事を考えながら、久し振りのシャワーをなんだかんだで堪能しました。



prev / next

[ back to top ]