さよならと嗤う | ナノ
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そして、帰って来たのが奇跡に近いもう1つの探索班はゾンビと戯れてただけで何もなかったらしいよ、クソうける。

いや、まぁ…慣れてないとゾンビと対峙しながら探索は無理だろうしね。ま、生きてただけいいんじゃん? なんかめっちゃ怪我してたらしいけど。



「で、その医務室で寝れば怪我が治るって事? 魔法のベッドかよ」

「あぁ、軽傷だった原や古橋、健太郎の怪我はすぐに治った。ザキはまだだけどな」

「一応、今は交代で寝とるけど千夏の分は空けとるから寝てきぃや」

「んー、もう少し情報整理してから使わせて貰います。それと食料庫とシャワー室は?」

「食料庫は、食べ物と軽い調理場がある感じですね。シャワー室は、シャワールームと知らない学校の制服一式とタオルが常備されてました」

「え、体育館に永住する気かよ。ていうか、ならわたしシャワー行きたい、すっきりしたい、着替えたい、湯船ないの?」

「ねぇよ、バァカ。つか、あったら入る気かよ」



そりゃ、入りたいよ。
ゆっくりと湯船に浸かってから、魔法のベッドで眠りに就きたいよ。

ていうか、最初からこの設備を使えてたら…マジでこんな苦労しなかったじゃん。マジでふざけんな。でもまぁ、まともに探索しなかったわたし達も悪っ…くないな。わたし達は、1番槍で外の探索行ってた訳だし。

誠凛ふざけんなよ。マジで無能ばっかりかよ、しね。

もうなんか情報整理とか以上に、誠凛とあのクソ女に苛々して来た。



「で、お前が寝てる間に愉しい愉しいクソ茶番があったんだが、見れなくて残念だったな」

「なにそれ詳しく」

「原と古橋が誠凛に探索について詰め寄る、言い訳しかしない誠凛に更に原が煽る。で、あの女が颯爽と間に入る訳だ」

「"や、やめて下さい! 確かに、見落としをしたのは私達です…ごめんなさい。だけど…そんなに責めなくてもいいじゃないですか。好きで見落とした訳じゃないんですから…"って言うてな?」

「今吉さんの物真似でキモさ倍増して鳥肌がヤバい。そして白々し過ぎてわろた」

「で、誠凛の奴等はいつもの"愛は優しい"だの"悪かったって謝ってるだろ"だの、まぁクソみたいに開き直ってやがったな」

「誠凛クソ過ぎて笑える。わたし達よりクズかよ」

「そこで、少し違和感を感じまして…もしかしたら、誠凛の方達は軽い洗脳でもされているんじゃないかと」

「いや、あいつらの元の性格でしょ。ま、洗脳されて様がされてなかろうが…正直、どうでもいいけどさ。つーか、なら誠凛は体育館から出さない方がいいんじゃない?」



まぁ、洗脳の可能性も低くはないけどさぁ。なんかわたしに精神攻撃(夢)をしてくるくらいだし? でも、だったらまとめて体育館に閉じ込めとけばいいって話だし。逆に楽なんじゃね?

ちなみに逆らったら死刑な。
もう面倒臭いから、ピーピー文句言い出したら死刑な。いや、まじで。クソの役にも立たねぇんなら、大人しくしてろって話だし。探索中に邪魔される方が困るし。

ま、とりあえず情報整理と休息って事で、少しの間は探索をしないって事になったみたいだから、わたしも今の内に色々やっとこ。



(で、シャワー行きたい)
(あ? 勝手に行けよ)
(わたしに何かあったら困るだろうが!)
(ねぇよブス)
(ふざけんなクソ眉毛)
(なら、俺が付いて行きましょうか? ついでなので)
(ま、赤司でもいいや。じゃ、案内よろ)
(いや、はい…わかりました)
(赤司、千夏はこういう奴なんや…)
(少しは躊躇しろ、痴女かよテメェは)
(この状況で恥じらうバカよりマシ)
(いや、どっちもあかんと思うで…)

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