さよならと嗤う | ナノ
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◆◇◆◇◆

へぇ、すげぇー。

とりあえず、今吉さんが持って来てくれた水を飲んで…ある程度落ち着いてから、わたしが寝てる間にあった事と今吉さん達の探索結果を聞いた。

ちなみに一哉と康次郎は、弘がまだ寝てるからって事で医務室に戻りました。尚、健ちゃんは弘が寝てるベッドに寄り掛かって寝てる模様。

で、武器庫・食料庫・シャワー室・医務室(?)があったのは、まじで凄い。ていうか、誠凛まじ無能。今まで素手で戦ってたわたし達に土下座しろって言いたいくらいには、クソ無能。

で、今吉さん達の探索結果は思ってた以上にゾンビが強化されてるって事と…赤いクローンのメモと研究員の箱用の小さな鍵とどこかの鍵と白い水晶玉。いや、今吉さん達…有能過ぎかよ。しかもこの人達、ほぼ武器なしで行ったからね。やっぱり妖怪なんじゃね? あれ、実は今吉さんが黒幕とかない? または、高尾。



「千夏、ワシが黒幕やったら既に千夏と花宮は消しとるでぇ?」

「あ、はい」

「これが白い水晶玉です。志波さん、持ってみて下さい」

「…いや、特になんも起こらんけど。あ、そういえば…これマネキンに襲われた時のだけど赤いメモ」

「一気にクローンのメモが増えたな。内容的に過去の物がほとんどか」

「ほな、今あるメモをまとめるか。まずは、黒いメモからやな」



黒いメモ(人間・元人間)

《"仲間はみんなあの女に喰われた。気付いたら俺等の輪に入っていて、なんの違和感もなかった。優しくて可愛くて…だから、信じたかった。だけど、あいつは人間じゃなかった。みんな、みんな…喰われた。体を奪われたもう逃げられない"》

《"あぁ、あんなに優しい彼がみんなを食べた。笑顔が素敵な彼が…優しい彼が、嬉しそうに食べた。つぎは私のばん"》

《"僕は人間じゃなくなってしまった。怖いよ、たすけて…あぁ、あの子がまた僕を呼んでる"》

《"仲間を殺した、友達を殺した、あの子が欲しいと嘆くから。だから、私をたくさん産んで連れていくの。あぁ…まだ足りない…まだ足りないの…もう私は誰であの子は誰なのかわからないわからないわからないたすけてたすけて、こわい"》

《"返して"》


計5枚だけ、黒いメモは実は少ない。条件がある訳じゃないだろうけど、まぁ…なかなか見付けられてない。

ある意味、情報になったりならなかったり。死ぬ前の記憶なのか、想いなのか…その辺はわからないけど、クローンに関わってるのは確か。


赤いメモ(クローン)

《"愛されるのはワタシで愛してるのもワタシ。だからあの子がニセモノでワタシがホンモノ。そうだよね、おとうさん"》

《"あの子が欲しい。あの子になりたい。ワタシはニセモノじゃない。だって、愛されてるもん。だから、ワタシはニセモノなんかじゃない!"》

《"愛して愛してあいしてあいしてアイシテアイシテ。なんで、なんで…あの子なの? ねぇ、おとうさん…ワタシがあの子になったら、アイシテクレル?"》

《"ミツケタ"》
《"チョウダイ"》

《"怪物はすぐに怪我を治しちゃうみたいだ…だからちゃんと殺すまで油断出来ない。早く見付けないと、みんなが殺されちゃう。早く早く…人間に化けた化物を見付けないと"》

《"いっぱいいっぱい食べた。だけど、足りない。ワタシが欲しいのはあの子だから。はやくはやく、あの子がたべたい。おいで、おいで…"》

《"みんなが死にたくない助けてって泣いた。だから、食べた。ワタシの中で生きていけるんだよ。とっても幸せな事だよ。だって、あと少しでおとうさんに愛して貰えるから。だから、もう少しだけ待っててね…おとうさん"》


今吉さんが新しく見付けたメモをいれて、計8枚。支離滅裂で頭が狂ってますねぇ。ま、ある意味…1番情報になり得るけど。それと過去の物と、撹乱目的の最近の物がはっきりわかる辺り、やっぱりバカなのかなって思った。


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