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キミと美味しく*(1/4)




今日は、康くんとデートの予定だったんだけど余りにも人が多くて、なにもしない内に帰って来てしまった。理由としては、帰りの電車が混むとわたしが危ない目に遭ったりしたら、俺が色んな意味でヤバいと結構マジな目で康くんに言われたからです。

確かに、余り人混みは得意ではないし。それにせっかくのデートなら静かに2人での時間を楽しみたいよね…となり、今日は久し振りの宅デートです。


とは言いつつも、時刻はなんだかんだで夕方前くらいだったりする。



「夕飯どうしよっか」

「なまえは、なにか食べたい物はあるのか?」

「ん〜特にないかな? 康くんは?」

「そうだな。強いて言えば、外食よりは家で食べたい」

「じゃあ母さんに言って作って貰っておこうか?」

「いや、今日は俺ん家で2人がいい」



母さんに連絡をしようと携帯を取り出すが康くんの言葉にその手を止めるとダメか? と頭を傾げられる。

あ、そうだよね。
今日は、ゆっくり2人で過ごしたいって言ったばっかりじゃん。

手に持っていた携帯をバッグにしまってから、全然ダメじゃないよ! と言うとよかったと言わんばかりに優しく笑う康くんにわたしも笑った。



「でも家になにもないんだ。だから、買い物をしなくちゃならない」

「うん! 全然いいよ」

「なまえは、なにが食べたい?」

「ん? それわたしのセリフじゃない? 今日は、康くんが食べたい物を作りたいからなんでも言っていいよ?」

「いつもなまえは、俺が食べたい物を作ってくれているだろう?」



いや、それは康くんが好き嫌いが少ないと言うか…なんでも美味しいって食べてくれるだけでさすがに今日の康くんはこれが食べたいだろうから、これ! とかはない。

それに康くんは、なまえの作った物ならなんでも食べるとか言い出すから、基本的にこれを食べたいと言われた事がなかったりする。

確かに、今まで美味しくないとか言われた事はないけど…たまには康くんが食べたいって物を作ってあげたいなぁ…なんて思ったり。



「逆に俺は、なまえが食べたい物がいいんだが」

「え、あたしは康くんが食べたい物がいいんだけど」

「・・・・・」
「・・・・・」

「全く…なまえはズルい奴だな。そんな事を言われたらすぐにでも言いたくなるだろ」

「え? どういう事?」

「まだなまえは、知らなくていい。じゃあ、とりあえず買い物しながら決めよう」



なんだかよくわからないけど、康くんには食べたい物があるって事なの…かな?

そして康くんに手を引かれながら、康くんのマンション近くのスーパーに向かった。



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