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01*(1/3)



あーあ、今日も明日香のせいで酷い目にあった。というか、ともだちもともだちだよ…明日香達に悪乗りするし。

いや、もう慣れたけどさ。

そんな事を思いながらとぼとぼといつもの道を歩いていると、ミィミィと子猫の鳴き声が聞こえて足を止める。

ゆっくりと振り向くとそこには、小さな公園がありどうやら子猫は公園の中にいるらしい。

どうしようかと少しだけ考えたが別に様子を見るだけなら…とゆっくりと公園に入り辺りを見渡すと子猫はすぐに見付かった。


ベンチの下で丸まりぷるぷると震えている真っ黒な子猫。



「おいで」

「…ミィ…ミィ…」



怖がっているのか手を差し出しても、一向にベンチの下から動こうとしない子猫に少しだけ頭を傾げる。

・・・誰かに何かされたのかな? もしくは、余りにもわたしが怖くて逃げるに逃げられないとか?

うーん。
さすがに怖がっているなら可哀想なので、ゆっくりと距離をとって子猫の様子を伺うが一向に動こうとしない。

どっか怪我してるのかな?
ゆっくりと子猫を刺激しない様に忍び足でなるべく音を立てずに再びベンチの下を覗き込み、優しく子猫を抱き抱える。

暴れられる覚悟をしていたのだが、あっさりとわたしに抱かれている子猫に少し拍子抜けしつつベンチに座り子猫の体を撫でる様に怪我をしていないか確認する。


うーん…怪我はしてない。
となると、ただ単にわたしが怖いだけだったのだろうか。未だにぷるぷると震えている子猫に、悪い事をしたと思いながら優しく頭を撫でてやる。


「ミィ…?」

「怖くないよ」


子猫は、ぷるぷると震えながらもゆっくりと頭をあげると小さく鳴いた。

・・・可愛いなぁ。

なるべく怖がらせない様に暫く優しく頭を撫でていると次第に子猫の震えが止まり、子猫を見れば先程とはうってかわりわたしの手に頬擦りをしている。


「か、可愛いっ…!」


余りの可愛さにきゅんきゅんしてしまう。実を言うとわたしは、根っからの猫好きで待ち受けも子猫の萌え画像というくらい猫が好きだったりする。

だからこうなる事は、わかっていたのだが…猫と戯れると帰りたくなくなってしまうのでさっき公園に入る時に考えたのだ。

まぁ、結局こうして子猫にきゅんきゅんさせられて癒されてる訳だけれども。


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