06*(1/4)
ふる…こ、康くん(康次郎くんは呼びづらいから)と友達からという形で付き合う事になった訳だけど、ぶっちゃけた話…余り前と変わらない。
たまに一緒にサボって一緒に帰って、康くん家に行くって感じだ。
あ、でも前よりも康くんが話し掛けてくれるようになった気がする。
「あ、なまえちゃんじゃん」
「あ、原くん」
「1人? 珍しいねぇ〜」
「そうかな?」
「だっていつも友達か古橋といるじゃん? てか、次サボんない?」
「え? そ、それはちょっと…」
「大丈夫大丈夫、取って食ったりしないから〜。多分」
あ、あれ? なんか不安しかない。ていうか、わたし断ったのになんで無視するの!
さすがにともだちの彼氏だし、ある程度は信用したいけれど…ともだちに聞かされた"食ってみたい"と言う言葉と今の発言により信用は出来ない。
だけど、そんなわたしの思いどころか言葉までも無視する原くんに、もはや抵抗しても無駄だと悟った。
そして着いたのは、まさかの図書室。花宮くんに呼び出された日以来である。
というか、その花宮くんがまたいるし。あれ? わたしまた呼び出されたの?
「なまえちゃんゲットしてきた」
「あぁ? どうせ無理矢理連れて来たんだろ」
「まっさか〜。ちゃんと一緒にサボろって言ったよん」
「わたし、いいよって言ってないよ」
「やっぱり無理矢理じゃねぇか」
花宮くんが不機嫌そうに原くんを睨むと大きなため息をつきながらも、とりあえず座れとわたしに言った。
なんか花宮くんとは、余りまともに話したことがないから…未だに変に緊張する。
康くんが花宮はいい奴だとよく言ってるから…悪い人ではないんだろうけどなんか怖い。
「俺さぁ、なまえちゃんに聞きたい事あったんだよね〜」
「え、うん? なに?」
「古橋の事マジで好きなの? って事と、遊びなら早いところやめてって」
「・・・・・」
「あ、気悪くしないでねぇ? ぶっちゃけた話、バスケ部の奴等全員が思ってる事だから」
あぁ、そっか。
康くんがバスケ部の人達は、俺の過去を知ってるって言ってたもんね。
みんな康くんが心配なんだ。そういえば、初めて部活を見学した時も花宮くんに古橋をどう思ってるんだと言われた気がする。
つまりあの時から、わたしは余りいい印象ではなかったということか。
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