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03*(1/3)




結局、あの日は古橋くんの家に行かなかった。普通に考えて、そこまで仲良くないわたしが古橋くん家に行くのはおかしいし。

それに仔猫が無事なら、それでいいと思ったから。でもまぁ、正直なところ…本当は様子は見たかったけどね。



「ねぇ、なまえちゅん〜ともだちは?」

「え、あー…原くんと一緒にいるんじゃない?」

「はぁ? また!? あいつ等、学校に何しに来てんだしー」

「ナニしに来てんじゃん? いいなぁ〜原くんH上手いらしいし〜」

「いや…明日香は、彼氏いるじゃん。なまえちゅんと私だけかぁ〜彼氏いないの」



そして原くんと順調(?)にお付き合いをしている様で最近、ともだちがいない事が多い。

まぁ、ともだちも原くんも必要以上に一緒にいる事はないので多分…明日香が言ってる通りどっかで何かをしているんだと思うけど。

そして彼氏欲しいよね〜とわたしに同意を求める美紗に苦笑いをしつつ、適当に2人の話を聞き流していた。



「てか、ともだちと原くんってなんで付き合い始めたの? あれか、体の相性的な?」

「いや、わたしに聞かないでよ…」

「後さ、なまえって別にモテない訳じゃないのに全然彼氏作んないよね。美紗は、性格クソだからわかるけど」

「ちょ、ひでぇ! それ言うなら明日香の方が性格クソじゃんか! うるさいし!」



ギャーギャーと騒ぎ出す2人にどっちもどっちだと思いつつもまぁまぁ…と2人を宥める。

明日香も美紗も確かに、性格は良くないとは思うけど悪い子じゃないし。というか、異性に対して悪いだけだしね。

むしろ、明日香も美紗も異性にモテるからね。その代わり、かなり女子から反感買ってるけど…。



「あーもう! 美紗ウザい!」

「はぁ? 明日香こそウザい!」

「もう…喧嘩しないの」

「ねぇ、みょうじってあんた?」

「えっ?」



言い合いは、いつもの事ながらさすがに喧嘩をされると面倒臭いのでとりあえず、間に入って2人を落ち着かせていると不意に声を掛けられた。

しかもゆっくりと振り返ると、眠たそうに欠伸をしながら頭を掻いている人がわたしを見ていた。

え、えと…誰だろう?
でもみょうじって言ってるからわたしに用があるんだとは思うけど、誰だかわからないんだよね。



「ちょっと来てくんね?」

「え、あっ…うん」

「えぇ? 瀬戸くんがなまえになんの用?」

「あぁ〜…俺が用がある訳じゃねぇよ。まぁ、いいからちょっと借りるわ」

「あ、ちょっ…」



そしてあたしは、瀬戸くんと呼ばれる彼に腕を引かれて教室から連れ出された。

というか、強引過ぎる。



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