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そしてなんだかんだで康くんは、飲み込みが早くて助かった。



「味噌はいつ入れるんだ?」

「うん、もう入れていいよ!」

「お玉の中で溶かせばいいんだな」

「うん、でも溶ければいいからそんなに気にしなくてもいいよ」

「なかなか難しいな」



お味噌汁を作っている康くんは、お玉の中で味噌を溶かそうと悪戦苦闘中です。

わたしは、メインである豆腐ハンバーグを盛り付け終わってるので難しそうな顔をしてお玉の中で味噌を溶かしている康くんの元に行く。

そして横から康くんの手を掴んで一緒にやってあげるとほぅ…上手いなとか言いながら感心している。



「はい、溶けたよ! 一応味見してみようか」

「ん、ちょうどいいんじゃないか?」

「うん! なら完成!」

「豆腐ハンバーグに茄子のお浸し、キノコの味噌汁か…さすがなまえだな」

「いや、なんか統一性がない感じになっちゃったよ…」

「よし、原に自慢してやろう」

「え、なんで!?」



そしてリビングに料理を運び終わると、写真を撮るからとわたしの肩を抱き寄せる康くんになんだか恥ずかしくなる。

しかしそんなわたしを無視して携帯のシャッター音が響き渡る。そして、なにかを打ち込む康くんをわたしは写真に撮っておいた。

エプロン姿もそうだけど、一緒に作った料理も思い出として撮っておいた。

そしてわたしの携帯が鳴る。
どうやら、LINEらしく確認すると何故か先程撮った写真が載っていた。



「こ、康くんっ!?」

「自慢するなら全員にと思ってな」

「その結論は、おかしい!」

「なまえと一緒に作った料理だぞ。それと包丁って難しいな…と」

「しかもみんな見てるじゃん! 既読になってる!」



このグループは原くんが作った謎のグループで、バスケ部のみんなにわたしとともだちが入っている。

主に原くんとともだちが、山崎くんをからかったりする時にしか使われないグループだったりする。

そこに康くんがわたしとの写真を載せたということになる。しかも、もう自慢したし食べようか。とか言い出すし…



「せっかく一緒に作ったんだ。温かい内に食べよう」

「そ、それはそうなんだけどね?」

「よし、いただきます」
「い、いただきます」

「うん、美味い。ほら、なまえ? あーん」

「え、あっ…あーん…」

「どうだ? 美味いだろ?」



咄嗟にあーんと言われて釣られて食べたのは、いいが…またしても聞こえるシャッター音に危うく噎せ掛けた。

そしてその写真を満足そうに眺めると、これは俺だけの物にしとくだなんて笑った。




※LINE 写真添付後
(原:今から行っていい?)
(古:なまえ可愛いだろ)
(瀬:美味そうだな)
(花:ペアエプロンに草不回避)
(友:花宮が僻んでおります)
(山:なんか腹減ってきた)
(古:凄く美味いぞ、これ)
(友:やめろ、食べたくなる!)
(古:自慢したかっただけだ)
(花:お前、ホント嬉しそうだな)
(原:花宮、涙拭けよwww)
(花:お前ホント死ね)

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