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そしてスーパーに来たんだけど、康くんは買い物カゴを腕に掛けて、その逆の手はわたしの手をしっかりと掴んでいる。

邪魔じゃない? と聞けばなまえがどっかに行ったら困るとか言い出す。

いや、前にもこのスーパー来てるしね? さすがのわたしも迷子とかにならないよ?

だけど、康くんがこのままで良いと言うならわたしもこうして康くんと手を繋いでいるのが好きだから全然構わないんだけどね。



「それで結局なにを作るんだ?」

「う、うーん。どうしよっか」

「なまえは、優柔不断だからな。じゃあ和食が食べたい」

「わ、和食! うん、わかった! ならね〜今日は、茄子とキノコが安いから〜」

「急に元気になったな」

「そ、そんな事ないよ!」



とは、言ったものの…和食ってどこからどこまでなんだろう? その辺がよくわからないけど、とりあえず自分が和食っぽいと思った物でいいんだろうか?

とりあえず、康くんは大食いではないから量はそこまで気にしなくてもいいとして…

今日の昼食のメニューからバランスを考えるとあっさりしてる物かなぁ。まぁ、和食でこってりってそんなにないだろうけど…(天麩羅くらい?)



「そして急に静かになったな」

「い、いや! なににしようか悩んでただけ」

「そんなに悩まなくてもなまえが作った物なら、俺はなんでも喜んで食べるぞ?」

「そ、そうじゃなくて!」

「そんな顔を赤くする事はないだろう」



もうね、康くんはすぐにこういう事を言うからズルい。普通に自分が作った物を美味しいって食べてくれるだけで嬉しいのにさ。

あぁ、もう。

今日は、いつも以上に気合いを入れなくちゃ! いつも美味しいって言ってくれるけど、今日も康くんが喜んでくれる様に頑張ろう、うん!

なまえは、本当に分かりやすいな。なんて優しく笑う康くんに更に顔が熱くなった気がしたけど、色々と身がもないので話を反らした。



「そ、そう言えばさ! 康くんは、好き嫌い少ないよね」

「また唐突だな、まぁ確かに少ないが」

「これが嫌い! って食べ物ないの?」

「強いて言えば、味が濃いもの」

「予想の遥か斜め上だった!」

「それに作る相手によって味なんていくらでも変わるだろう?」

「や、やめて…話反らしたの謝るから追い詰めないで! 康くんの気持ちは凄く嬉しいけど色々大変だからやめて!」



わかってると言いつつも控えに笑う康くんにまたも顔が熱くなる。最近の康くんは、やたらとこうやってわたしをからかうと言うかなんと言うか。

しかも嘘じゃないのが更に辛い。いや、嬉しいんだけどね?

そしてそんなこんなで、買い物を終えて康くんのマンションへ帰ってきた。



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