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そして結局、花宮くんのお陰でともだちと原くんの言い合いは、収まったんだけど。
なんか、もうわたし…今日だけで何回恥ずかしくて死に掛けたんだろうか。
いや、もう…康くんがなんの躊躇いもなく言うからわたしもみたいな感じで言うものの、やっぱりわたしには無理みたいです。
心の中だけにしとこう。
「花宮も一哉は、クソ虫だってさ」
「はぁ? 花宮なんてオタマロじゃん」
「うん、それはわかる」
「…おい、お前等いい加減にしろよ」
「「やだ、花宮ったらこわーい」」
「よし、お前等死ね」
そして仲直りをした訳でもないのに、息ぴったりなともだちと原くんに青筋を立てながら笑顔で2人の首根っこを掴む花宮くん。
というか、いつもいつの間にか仲直りしてるからなぁ…あの2人は。
そしてそんな4人を我関せずといった様子で眠たそうに見ている瀬戸くん。ちなみに山崎くんは、ともだちと原くんに巻き込まれてもうやだ…あのバカップル…としゃがみこんでいる。
「なまえ?」
「ん?」
「好きだぞ」
「えっ…きゅ、急にどうしたの」
「言いたくなった」
「そ、そっか…」
そして康くんのこの不意打ちです。凄く嬉しいんだけど、急に言われると照れるし…恥ずかしいし。
というか、ここ廊下だし。
しかも近くに瀬戸くんいるし。
なのに、凄く満足そうな康くんを見てるとなにも言えなくなってしまう。
「相変わらず、古橋とみょうじはラブラブだよね」
「まぁな」
「まぁ、原達もある意味ラブラブだけど」
「あれと同じにしないでくれ」
「大丈夫、してねぇから」
瀬戸くんもなんの躊躇いもなくそんな事をいう。しかも康くん即答だし。
た、確かにラブラブだけど。
あぁ…なんでここにいる人は、こんなにハッキリと言うか躊躇とかそういうものがないんだろうか…。
わ、わたしがおかしいのかな?
「あぁ、花宮マジ容赦無さすぎ。なまえ〜今日家行っていい?」
「ちょ、その流れでなんでそうなったの…」
「え、久し振りになまえママに会いに」
「あ、なら俺も行きた〜い!」
「い、いや…今日は康くんが…」
「"あ、なまえママ? 今日、行っていいッスか? あ、本当に? 彼氏もいい? さすがなまえママ! ありがとー!"」
そして何故か母さんに電話をするともだちに言葉を失う。てか、普通に原くんも連れていくみたいだし。
てか、母さんも断ってよ。
しかも結果的に何故か全員であたしん家で晩ご飯を食べる事になった。
でも康くんがやっぱり人数が多いとなんだか暖かいな…なんて言うもんだから、笑顔で頷いた。
これからは、ずっとわたしが傍で康くんの暖めてあげるよ…なんて思った。
(あら、みんないらっしゃい!)
(なまえママ〜!)
(お邪魔しま〜す!)
(急に押し掛けてすいません)
(花宮は安定の猫被りかよ…)
(とりあえず、早く入って!)
(なまえちゃんの部屋どこ〜?)
(なまえの部屋には行かせん)
(ちょ、変な事で争わないの!)END
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