07*(2/3)
そしてどうやら、ともだちは原くんとまた喧嘩をしたらしくわたしを探していたらしい。
というか、さっきの事を聞かれてたと思うと恥ずかしくてなんだかとてもソワソワします。
「あーもう、一哉めんどい」
「今度は、なんで喧嘩したの?」
「1番美味いガムの味について語ってたら喧嘩した」
「・・・は?」
「相変わらずだな、お前等は」
ま、またなんて下らない事で喧嘩をしてるんだ。こないだは、髪の毛を染める染めないで言い合いになったとか言ってたような…。
いや、でも…喧嘩する程仲が良いって言うし。
そんな事を思いながら膨れっ面のともだちを苦笑いで見つめていると、不意に後ろから誰かに覆い被さられる。
「なまえちゃ〜ん」
「は、原くんっ!?」
「ハハッ、相変わらず可愛い反応してくれんねぇ〜。って事で俺と浮気しちゃおっか」
「つーか、彼氏が目の前にいるし! てか、古橋から殺気出てるから離れろって!」
「そうだ。原、離れろ」
わたしに覆い被さって来たのは、ともだちが喧嘩をしているという原くんだった。
ちなみに後ろには、山崎くんが呆れた様な怯える様な顔をして原くんと康くんを見ていた。
というか、浮気しちゃおっか…ってどういう事なんだ。むしろ、彼氏が目の前にいると言うより…原くんの彼女も目の前にいるんですが。
「はぁ? なまえと浮気とか調子乗んな! なまえとお前じゃ、お姫様とクソ虫くらいの差があるんだよ!」
「はぁ? 確かになまえちゃんがお姫様なのは認めるけどクソ虫ってなんだし。詐欺師くらいにしろし」
「いやいや、詐欺師でいいのかよ!? てか、なんなのこのカップル面倒臭い!!」
「「ザキは、うっさい!」」
「なにこの理不尽!」
そしてなんだかよくわからない言い合いをし始めるともだちと原くん。そしてそれに巻き込まれる山崎くん。
本当になにしてるんだろう。
廊下の真ん中で訳のわからない言い合いをしている2人を止めようとは、思うんだけど…山崎くんを見る限り無理そうだ。
そしてなにかを考えている様子だった康くんが急にわたしの手を握る。
「確かに、なまえはお姫様だな。つまり俺が王子様と…」
「ちょ、康くんまで悪ノリしないで…あ、でも確かに康くんは王子様っぽいけど…」
「おい、お前等…廊下でなにバカコントしてんだ」
「てか、うっさ…」
ちょ…だ、だからー! なんてタイミングで現れるの!
ため息混じりに声を掛けて来たら花宮くんと、欠伸をしながらとてつもなく眠そうな瀬戸くん。
もう、あたし…ダメかもしれない。
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