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06*(4/4)




うぅ、恥ずかしい。
でもちゃんと言わなきゃだったし。それにいつまでもズルズルと曖昧な関係でいるのも嫌だったから。



「なまえ、ありがとう」

「え?」

「本当は、なまえの優しさに漬け込んでいる様で嫌だったんだ。だが、こうしてなまえが俺を好きだと言ってくれて…」

「ちょ、ま、待ってっ! は、恥ずかしいから言わないでっ…!」

「なんでだ? 俺は、嬉しいぞ」



確かに、康くんの顔を見ると嬉しそうだけれど。今、この場には原くんや花宮くんもいるわけで!

今更と言われたらそれまでだけど、康くんを好きだと言った事がすでに限界だったのに追い打ちを掛けないでほしい。

いや、本当に好きだよ?
だ、だから恥ずかしいと言うか…あぁ、もう、やだぁ。



「てか、花宮が心配し過ぎなんだってぇ〜。あんな反応する子が古橋の事騙すなんて出来るわけないじゃ〜ん」

「あぁ? うっせぇよ。つーか、テメェの聞き方がわりぃんだよバァカ」

「いや、軽い感じで言ったら意味ないじゃん? ま、その結果泣かれちゃったけどねん」

「おい、みょうじ。古橋の事頼むぞ」

「え、あっ…うん。大切にします」

「ぶっ、ちょ、なんかおかしくね? ま、でも花宮に認められてよかったね、なまえちゃん」



ニシシッと笑いながらわたしにVサインを向ける原くんに苦笑いを返す。

正直なところ、さっきの原くんを思い出すと色々と怖いし。それにイマイチ意味がわからないし…。

とりあえず、花宮くんがわたしを試すのに原くんを使ったって事でいいんだろうか?

そして結果的に康くんときちんと付き合う事になれたからよかったけど…本当に花宮くんは、康くんを心配してたんだなぁ。怖いけど…。



「あ、そうだ。正式に付き合う事になったんだしさぁ〜Wデートとかしちゃう?」

「え、えぇ…?」

「面倒臭がりのともだちもなまえちゃんがいるなら来るだろうし〜」

「お前がいたらデートがデートじゃなくなりそうだから却下する」

「ちょ、古橋ひどい! じゃあ初デートは2人で〜慣れたらWデートって事で」

「リア充爆発しろ」

「ちょ、花宮僻み乙」



そして何故か勝手にデートの話をし出す原くんに不機嫌そうに本を読み出す花宮くん。

ちなみに康くんは、わたしの手を握ってとても嬉しそうです。そしてわたしは、顔から火が出そうなくらい恥ずかしいです。

だけど、康くんの顔を見てると原くんや花宮くんにちゃんと認められてよかったと素直に思えた。




(原、死ね。今すぐ死ね)
(俺が死んだらともだち泣くから無理)
(マジで死ねクソが)
(はいはい、僻み乙)
(は、原くんはともだちの事…)
(あ、信用してない? ちゃんと好きだよ)
(そ、そっか…ならよかった)
(最初は、そうでもなかったけど)
(え、えぇ〜…)
(いや、それはお互い様だし?)
(そ、それもそっか…)

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