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06*(3/4)




もう本当に最悪だ。

わたしは、泣いてるし。原くんにはめちゃくちゃ言われて、まともに反論出来なかったし。

そんな事を思いながら止まらない涙を拭っていると、不意に体を抱き締められてビクッと肩が跳ねた。



「原の奴がすまない。なまえは、なにも悪くない」

「うわ…なんか俺が悪者になってるし」

「あぁ? どう考えてもお前が悪い。もっと他に言い方あっただろうが」

「つーか、元から俺は別になまえちゃんの事は信用してたし〜。言い出したの花宮じゃん」

「俺は、あそこまで言えとは言ってねぇよバァカ」



なにがなんだかなわたしを優しく抱き締めてくれている康くんになんだか安心して、とりあえず涙は止まった。

なんかもう…本当に最悪だ。

泣いたせいで目は痛いし。
多分、めちゃくちゃ不細工になっているに違いない。

康くんは、心配そうにわたしの目尻を優しく撫でるとすまないとまた謝った。



「あ、なまえちゃんさっきの本気じゃないからねぇ?」

「なまえに害を加えないと言うから、お前の言う通りにしたというのに」

「いや、俺だって泣かれるとは思わないし? でも本気で古橋の事大切に思ってるみたいだし、よかったじゃん」

「それとこれとは、話が違う。なまえすまない…」

「あぁ…なんつーか、試すような事して悪かったな」

「本当だよ〜全く花宮が悪いんだからねぇ」



どうやら、わたしは試されていたらしい。原くんが"マジでごめんって〜"と謝っているが康次郎くんが絶対に許さないと言わんばかりに原くんを責めている。

ちなみに花宮くんもなんだかんだで康くんに謝っているが、何故か花宮くんは許したようで仕方ないといった様子だ。

そしてわたしは、康くんに抱き締められたままその会話を聞いている。

というか…



「わたし、康くんの事ちゃんと好きだから彼女にして下さい」

「ちょ、ほらぁ…花宮のせいで無理矢理彼女にしたみたいになっちゃったじゃん!」

「いや、俺はなんも言ってねぇだろ。人のせいにすんな死ね」

「ち、違うの。このままズルズルしてちゃダメだなってわたしも思ってたから」

「なまえは、それでいいのか?」

「うん。本当は、友達からって言った時も好きだったんだけど…わたし、康くんの事よく知らなかったからちゃんと知りたくて」



段々と自分の声が小さくなっていくのがわかる。そのせいなのか康くんが腕の力を緩めると、わたしの顔を覗き込んできて恥ずかしいやらなんやらで思わずうつ向いてしまった。



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