05＊(4/4)



チラリと古橋くんを見ればいつもの表情でわたしを見ている。しかも真っ直ぐと…。



｢え、えと…本当に？｣

｢嘘を言ってどうする｣

｢ま、まぁ…そうだよね｣

｢みょうじを困らせるつもりはない。ただ思ってる事を言ってくれれば…と言われたから言っただけだ｣



つまり、わたしのせいですね。
なんか凄くごめんなさい。

というか、わたしの中ではそう言う意味じゃなかったんだけどなぁ。何をして欲しいとかこう思ってるよとか、些細な事って事だったんだけど。

いや、でも古橋くんは間違ってないよね。

てか、なんか恥ずかしくなってきた。



｢しかし正直、好きとか嫌いとかよくわからないと言うのが本音だ｣

｢え？｣

｢だが、みょうじといるとなんだか暖かく感じるんだ。それを花宮に言ったら、それが好きってもんだと言われた｣

｢で、でも…なんでわたし？｣

｢なんでと言われたら困るが、みょうじだからじゃないか？｣



真っ直ぐとわたしを見ながら、はずかし気もなくそんな言葉を言う古橋くんにわたしが恥ずかしくなる。

というか、わたしも別に古橋くんは嫌いじゃないし。むしろ、好きと言われれば好きだ。

付き合うとかそんな気はなかったけど、普通にいい人だなぁとは思ってた。



｢みょうじは、俺が嫌いか？｣

｢え、ちょ…そ、その聞き方はズルくないかな？｣

｢そうか？ じゃあ好きか？｣

｢あ、あんまり変わってないんだけど…｣

｢俺には、付き合うとかそういった事がよくわからないが…みょうじと一緒にいたいと思う｣

｢…ちょ、ちょ、ちょっと待って！｣



ダメだ、なんか凄い古橋くんのペースに飲まれている。と、とりあえず！ 落ち着くんだ。

古橋くんがあたしを好いてくれてるのは、わかった。

だけど、なんか色々とぶっ飛んでる気がするのはわたしの気のせい？

あ、いや…でも古橋くんが嫌いな訳じゃないし。ぶっちゃけた話、断る理由もない。



｢え、えと…古橋くんはわたしなんかが彼女でいいんでしょうか？｣

｢俺は、みょうじじゃなきゃ嫌なんだが｣

｢・・・・・｣

｢別に彼女じゃなくても、一緒にいてくれるならそれでも構わない｣

｢じゃ、じゃあ…徐々に古橋くんを知ってから彼女にして下さい…｣

｢俺を知る？ 別に今、聞いてくれればなんでも答えるが？｣



そ、そうじゃない！ と古橋くんに言うとじゃあなんだ？ と言わんばかりの顔をされる。

そしてとりあえず、よろしくお願いしますと言うとこちらこそと言う古橋くんが笑った。

あぁ、なんかよくわからないけどこれでよかったのかな？

なんか古橋くん嬉しそうだし。

そしてわたしは、友達から(？)という形で古橋くんと付き合う事になりました。




(なまえ？)
(え、えぇっ！？)
(みょうじよりなまえがいいかと思ったんだが)
(え、あっ…うん。別にいいよ)
(じゃあなまえと呼ぶ事にする)
(えと、わたしも呼んだ方がいい？)
(なまえの好きにしてくれて構わない)
(じゃあ康次郎くんとか？)
(なんかドキリとした)
(ちょ、真顔で言わないで！)

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