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そして緊張しながら古橋くんと一緒に体育館に入る。

う、うわっ…ヤバい。
めっちゃこっち見てる。

先に来ていた他のバスケ部の人達の視線が、一斉にわたしに集まり自然とうつ向いてしまう。

正直なところ、後悔してます。



「あ、マジでなまえちゃん連れて来たんだ」

「花宮に許可を貰っておいて、連れて来ない方がおかしいだろう」

「ま、だよね〜。てか、なまえちゃん大丈夫〜? そんな下向いてると危ないよん?」

「え、あっ…うん。わっ、ち、近い近いっ!! 原くん近いよっ!!!」

「…うわぁ、すげぇ新鮮な反応。ホント、なんでともだちの友達なのかわからないわ」



原くんの言葉にゆっくりと顔を上げたら、目の前に原くんがいて思わず後退る。

そしてそんなわたしを見てプクゥーとガムフーセンを膨らませながら"ごみんに〜"と謝る原くんだが…謝られてる気がしない。

そんな後退りしたわたしの前にズイッと古橋くんが出て来て、原くんが見えなくなる。



「あんまり、みょうじを困らせるな」

「え、なに? 古橋おこなの?」

「原、いい加減にしろ」

「え、マジで今ので激おこなの?」

「…みょうじ、行くぞ。原の事は、無視して構わない」

「わ、わぁっ…」



なんだかよくわからないけど、急に古橋くんに腕を引かれて思わず間抜けな声が出てしまう。

そんなわたしを気にする様に1度古橋くんが振り向くと、さっきより腕を掴む力を緩めると改めてわたしの腕を引いた。

そしてタイミング良く(?)花宮くんが部室らしき部屋から出て来る。



「あぁ、来たか。じゃあ古橋は着替えて来い、こいつは俺が見とく」

「あぁ、頼む」

「おい、こっちだ」

「…あ、うん」



花宮くんにわたしを頼むと、古橋くんは部室らしき部屋に入って行ってしまう。

そしてわたしを見るなりさっさと来いと言わんばかりの花宮くんに少し怯えつつ、素直に付いていくと体育館のステージに着く。

どうやらここに座って大人しくしていろということらしい。



「おい、もしかしたらボール飛んで来るかも知れねぇからボーッとしてんなよ」

「うん、わかった」

「つーか、お前古橋の事どう思ってんだ?」

「…え? なにが?」

「チッ…なんでもねぇよ。なんかあれば近くの奴にでも聞け。じゃあな」



花宮くんの問いにわたしが頭を傾げると花宮くんは、怪訝そうに眉をひそめるとスタスタと歩いて行ってしまった。

…なんだったんだろう。

そして休憩時間には、古橋くんが花宮くんと原くん以外のレギュラーを紹介してくれた。




(みょうじ、暇じゃないか?)
(うん? 大丈夫だよ)
(そうか。もう少しで終わるからな)
(なまえちゃーん!)
(え、わわっ…は、原くんっ!?)
(ハハッ〜ホントいい反応するねぇ)
(原、やめろ。みょうじから離れろ)
(えぇ、古橋またおこなの?)
(原、やめろって…古橋怒らせんな)
(おい、あんま騒ぐとメニュー増やすぞ)
(はいはい、わかったよん)


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