03*(2/3)
なんか凄い身長高いし、よくわからないけど雰囲気が怖いので、素直に瀬戸くんとやらに腕を引かれる。
というか、一体わたしは何処に連れて行かれるんだろう…。
そして着いたのは、何故か図書室。さすがに意味がわからなくて頭を傾げる。
「ん、連れて来た」
「あぁ、随分と早かったな」
「じゃあ俺寝るわ」
「え、ちょ…どういう事?」
「とりあえず、座れば? 俺は寝るけど」
何故か図書室に居たのは、あの有名な花宮くんだった。しかも瀬戸くんは、わたしを花宮くんの前に連れて行くとそそくさと机に突っ伏して寝始めてしまった。
これはどういう状況なんだろうか。とりあえず、訳もわからず瀬戸くんに言われた通り椅子に座ると花宮くんがゆっくりと手に持っていた本を閉じた。
えと、なんなんだろう…。
花宮くんみたいな優等生がわたしなんかになんの用があるって言うんだ。
「急に呼び出して悪いね。みょうじさんで合ってるよね?」
「…あ、うん」
「それで聞きたいことが…」
「花宮いる〜? って、あれなまえちゃんじゃん。なんで花宮といんの?」
急に図書室のドアが開かれ、途中で花宮くんの言葉が遮られた。そしてそこには、フーセンガムを膨らませている原くんがいた。
相変わらず、前髪が長い。
というか、わたしもなんで花宮くんと一緒にいるのかわからないんで、聞かないでいただきたい。むしろ、こっちが聞きたいくらいです。
「あ、わかった。なまえちゃんが古橋のお気に入りだからっしょ?」
「えっと…」
「チッ…お前は、本当にタイミングがわりぃ奴だな。死ね」
「死にませーん。ていうか、マジでなまえちゃんはやめてよ。ともだちの友達だし〜面倒臭いの嫌だから」
「テメェは、面倒臭くなったらどうせ棄てるんだから別に問題ねぇだろうが」
「まぁね」
は、話についていけない。
それと花宮くんの雰囲気が怖いと言うか…わたしが知っている花宮くんじゃなくなった。
優しくて優等生で有名な花宮くんがこんな口が悪いとは、知らなかった。というか、顔が怖い。めちゃくちゃ、原くんを睨んでるんだけど。
えっ、本当にわたしなんでこんなところにいるんだろう?
「原? なにを騒いでるんだ?」
「あ、古橋来ちゃった」
「なにがだ? ん、花宮とみょうじ?」
「原ァ…お前ホント死ねよ」
「てへっ! てか、俺悪くないっしょ」
そしてまさかの古橋くんまで現れるという。本当になんなんだろう…この状況。
むしろ、なんか色々と辛いので逃げ出したい。わたし、色んな意味で場違いすぎる。
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