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それにしても古橋くんもわたしの事を言えない気がする。原くんは、決して静かな人じゃないし…むしろ、騒がしいと思う。

その原くんと仲良くしている古橋くんも意外と言うか…古橋くんはいつも静かに読書してるし。



「古橋くんは、原くんと仲良いの?」

「…原と? 仲良い様に見えたか?」

「え、だって一緒にサボってるくらいだし…仲良いのかなって」

「確かに一緒にサボっていたが、仲が良いかと言われたらそうでもないと思うぞ」

「あれ? そうなの?」

「部活が同じなだけだからな」



いや、確かに仲良い感じは少しも感じられなかったけど…まさかこんなにあっさりと否定されるとは。

部活に入ってないわたしからしたら、部活が同じってだけで一緒にサボるのが仲良いのか悪いのかよくわからないところだけど…まぁ、古橋くん本人が言っているのだからそこまで仲は良くないんだろう。



「あ、原くんと部活が同じって事はバスケ部?」

「あぁ、そうだ」

「じゃあ大変だぁ。いつも遅くまで練習やってるよね」

「あぁ、楽ではないな」

「えと、じゃあ…いつも部活帰りにあの仔猫のところに行ってたの?」



そういえば、あの仔猫はどうしたんだろう。わたしは、あの日以来あの公園には行ってない。仔猫に会いに行こうかなと思っても、動物嫌いのともだちと帰る事が多くて寄りたくても寄れなかったのだ。

でも古橋くんがバスケ部と言うのなら帰りに毎日寄るのはなかなか辛い気もする。

もしなら今日、様子を見に行こうかな。知っちゃった以上気になるし…。



「あぁ、あの公園にはいつも部活帰りに寄っていた」

「そうだったんだ。仔猫は元気?」

「あぁ、元気だ」

「そっか、ならよかった。じゃあ今日辺り、わたしも見に行こうかな」

「…今日か?今日は部活があるから遅くなるが」



・・・ん?
あれ? もしかして一緒に行こうって言ったと思われてる? え、でも普通に考えたらそうならないよね? ん?

さすがに意味がわからなくて頭を傾げるわたしに古橋くんも頭を傾げた。

え、なんで古橋くんが不思議そうな顔をしているんだろう。



「猫を見に来るんだろ?」

「え、うん? 気になるし」

「だから今日は、部活があるから帰りが遅くなるがそれでもいいかと言ってるんだが」

「え? 一緒に公園に行くって事?」

「なにを言ってるんだ? 猫は、俺の家にいるぞ」

「・・・え?」



まさかの言葉にパッと古橋くんを見るがどうした? と言わんばかりの顔をされてしまった。

そして古橋くんに軽く説明されて、あの仔猫は今は古橋くんが飼っていると言う事だった。

それならそうと、先に説明して欲しかった。




(それで猫を見に来るのか?)
(え、行っていいの?)
(部活が終わってからなら構わないが)
(そういう問題かなぁ…)
(? 猫が気になるんじゃないのか?)
(まぁ、確かに気になるけど…)
(なら見に来ればいいんじゃないか?)
(古橋くんが飼ってるなら心配ないかなって)
(さぁ、どうだろうな)

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