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まさかこんな形でまた古橋くんに会うとは思わなかった。原くんの言葉にテンパっていると頭上から声がして顔をあげると、やっぱりあの古橋くんがいた。
うん、普通に古橋くんがいた。
そしてとりあえず、登ってくるか? と言われて断るのも変だったので、梯子を使ってペントハウスへ上がった。
というか、こんな場所にいたんだ。
「悪いな、原の奴が」
「あ…いや、別にわたしは大丈夫だよ。むしろ、なんか気使わせちゃってごめんね?」
「? なんの事だ?」
「え、古橋くん読書してたんでしょ? なのにわざわざ声掛けてくれたみたいだし」
「まぁ、そうだな」
古橋くんの手にある本を指差すとゆっくりと本に視線を移すとコクりと頷いた。
てか、あんなに騒いでて悪い事をしたな。いや、騒いでたのはわたしじゃなくて主にともだちなんだけど。
それにしても古橋くんもあの会話を聞いていたんだろうか? でも原くんの口振りからして聞いていたんだろう。
「えと、それにうるさかったよね? ごめんね」
「いや、特に気にならなかったが」
「え、あっ…そうなの?」
「むしろ、止めなくてよかったのか?」
「あー…ともだち? 多分、大丈夫だよ。いつあんな感じだから…」
それにともだちには、いつも振り回されてるし…慣れたと言うか…なんと言うか。
しかもなんだかんだでともだちは、楽しそうだったし。止めても無駄なのはわかってるからね。
むしろ、ともだちと原くんが付き合ったとして、1番面倒臭いのは明日香と美紗だったりする。特に明日香は、イケメンにうるさいからなぁ…。
わたしからしたら原くんの場合、前髪でよく顔見えないからなんとも言えないけど…。
「そうなのか」
「うん。原くんも…だよね?」
「あぁ、あいつはいつもあんな感じだから気にしなくていい」
「あぁ…だよね」
なんか会話が続かない。
いや、別にこの沈黙が嫌だとかではないんだけど。
むしろ、古橋くんはあんまり人と話してる事が少ないし、大人しいと言うか…必要以上に人と話さなそう。
それに読書してたみたいだし。あんまり話し掛けたら悪いかなぁ…とか思ってみたり。
「みょうじは、よくサボるのか?」
「え、うーん…たまにかな? 友達に誘われればーみたいな」
「そういえば、みょうじの友達は騒がしいのが多いな」
「アハハ、そうかも」
まさか古橋くんから話題を振ってくれるとは思わなかった。てか、普通にわたしの友達を知ってる事に驚きだ。
あ、いや…騒がしいから嫌でも目に付くのか。明日香と美紗がいつも騒がしいから…。
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