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ともだちの愚痴は、相変わらず家の事と彼氏が欲しいという事ばっかりだ。

というか、彼氏の事は完全にともだちが悪いと思うんだ。むしろ、彼氏作る気ないでしょ。

そんな会話をしながら時間を潰していると、急に影が落ちて来て目を見開く。

そこにいたのは、金髪でフーセンガムを膨らませている男の子。前髪が長くて顔がよくわからないけど…



「ねぇねぇ、そんな彼氏欲しいなら俺と遊ばない?」

「は?」

「俺束縛しないし、H上手いし。むしろ、ドライな関係なら大歓迎なんだけど」

「へぇ、話聞いてたんだ?」

「まぁね。で、どうする? 俺が彼氏とか友達にも自慢出来るよ」



えと…話についていけないんだけど。多分、この目の前でフーセンガムを膨らませながらニヤニヤしている彼は、原一哉くん…だと思う。

クラスが違うからちょっと自信がないけど、原くんは色んな意味で有名だから。

そんな原くんがわたし達の話を聞いていたということにも驚きだが、ともだちの彼氏に立候補してる事になにより驚いている。

しかもともだちは、なんだかんだで楽しそうだ。むしろ、ある意味…原くんはともだちの理想に近い気がする。



「へぇ、言うねぇ。まぁ、実際あんたモテるしね〜なら彼氏になってもらおうかな」

「オッケーオッケー。じゃあ小手調べに1発ヤっとく?」

「別にいいけど場所は?」

「場所なら大丈夫〜。あ、君はどうする? 上に俺のツレがいるけどそっちとどう? まぁ、お堅いやつだけど」

「あ、いや…いいや。わたしそういうの無理だし」



アハハ〜そんな顔してる。と何故か笑われてバカにされている気分になる。

てか、ホントにともだちは相変わらずだなぁ…。まぁ、ともだちの好きだし…もう今更止めはしないけど。

むしろ、原くんはともだちを知っているのだろうか。普通にわたしを知らない様子だし、ともだちの事も知らないんじゃないのかな?

あぁ…でもなんか変に意気投合してるっぽいし、もう突っ込むのはよそう。



「なまえ、行ってきていい?」

「ダメって言っても行くくせになにを言ってんだか…。いいよ、わたしは適当に時間潰すし」

「さすがなまえは、話がわかる。あとでジュース奢るわ」

「あ、古橋ィ〜暇ならこの子の事構ってあげてね〜。じゃ、行こっか」

「え、ちょ…ふ、古橋…?」



じゃあね〜と手を振るともだちに手を振る余裕はない。

というか、え? ほんとに?


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