ゲームを殺ろう! | ナノ
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ゲームが始まり、約30分。

灰崎は、細心の注意を払いながらゆっくりとそして静かに歩いていた。

それは、もうキラと虹村に会わないようにと願いながら。が、しかし…現実は非道である。

そう、灰崎は数メートル先にキラの姿を発見してしまったのだ。

しかし、キラはまた灰崎に気付いていない様子でボケーッとしながら歩いている。


ここでキラを殺した方がいいのはもちろんなのだが、灰崎は自信がなかった。1度だが、キラと戦った事があるからこそである。

ここでマグナムを撃ったとして、確実に仕留められる気がしないのだ。

あの女は、運良く転んだりして弾丸を避けかねない…と灰崎は考えていた。


が、それがいけなかったのかキラが不意に灰崎の方を向いたのだ。

視線を感じたのか、なにかの気配を感じたのかわからないがバッチリと灰崎と目が合うとキラは、それはそれはとても嬉しそうにニヤリと笑った。



「祥吾くん、みっけ☆」

「…なんでわかったんだよ、お前は何かの瞳術持ちかっつーの」

「いやぁ、何やら熱い視線を感じちゃって! まさか祥吾くんだとは、わたし感激!」

「ハァッ…俺は、最悪だっつーの」

「ま、そう言わないでよ! てか、急に撃ったりしないのねwww ちょっと意外〜」

「なんか、あんた避けそうだし。あ〜…クソ、見付けた瞬間に逃げときゃよかった」



あからさまに殺る気満々のキラに、もはや戦意喪失な灰崎である。

というより、キラには前回のバトルロワイヤルでガチバトルした結果、負けているので正直戦いたくない灰崎であった。

むしろ、虹村といいキラといい…キチガイに関わりたくないというのが1番の理由である。



「またナイフだけで殺る? 祥吾くんの好きにするといいよ! マグナムで殺るとなると完全に運ゲーになるけどwww」

「自害したら後で虹村にもボコられそうだし。え、なにこれ、俺詰んでね? なんなんだよ、マジで」

「自害するくらいならわたしに殺されよう! そうしよう! よし、ナイフで殺ろう!」

「あー、もうそれでいい。今回は、マジ殺るからな? 俺は、あんたを女と思ってねぇし」

「は? キラちゃんおこだよ? ちょっと頭おかしいけどキラちゃんは、正真正銘可愛い女の子だよ? マジで殺しちゃうぞ?」



自分で頭おかしいと言ってる辺りがもう女として認めたくねぇ…と灰崎は心の中で思いつつ、キラに小細工が通用しないのは前回戦った時にわかっているので、ナイフを構えると素早く地を蹴った。




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