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足を撃たれた桃井は、辛うじて小金井と対峙していた。しかし、そこに更に追い討ちをかけるように現れたのが灰崎だった。
「あれ? 桃井じゃん」
「は、灰崎くんっ…!」
「おいおい、女を相手にすんならちゃんと痛くねぇ様に1発で殺ってやれ…っ!?」
「うん! だ、だよねぇ!」
その声と同時に銃弾が響きドサリと桃井が倒れた。そしてそこにまたしても現れたのは、キラだ。
全力疾走をして来たのかゼェゼェと息が荒いがキラは、サブマシンガンをきちんと両手に持っている。
そして一呼吸すると小金井と灰崎に標準を合わせた。
「躊躇ねぇなァ? お前が花宮が言ってたキラって奴か?」
「へぇ? ヤンキーくんは花宮のチームなのかー。なら尚更ぶっ殺さなきゃならないや」
「え、えっ? ちょ、俺どうしたらいいの?」
「え、わたしが殺してあげるから待ってて? オッケー?」
「はァ? こいつは、俺の獲物だっつーの」
ガチャリとアサルトライフルを構える灰崎だったが、それよりも早くキラがサブマシンガンを乱射する。
バランスを崩した灰崎は、咄嗟に後ろへ飛び退くがアサルトライフルを落としてしまう。
それを見てニコリと笑うキラは、まさに悪魔である。そしてアサルトライフル目掛けてサブマシンガンを乱射した。
「はーい。で? どうすんの?」
「テ、テメェ…」
「そこのにゃんこ小僧! 逃げるなら逃げていいよ? 気が変わった」
「にゃ、にゃんこ小僧!?」
「あたし、ヤンキーくんと遊びたいから。少しでも長生きしたいなら早くどっか行きな」
「あ、テメェッ!!」
その言葉に小金井は、その場から走り去った。というのも、灰崎にしろキラにしろ…まともに殺り合っても勝てる見込みがなかったからだ。
そして小金井にバイバーイと手を振りつつも、サブマシンガンの銃口は灰崎を捉えたままだ。
「これで邪魔はいないねー? で、ヤンキーくんは強いんだよね?」
「はァ? つか、殺るならさっさと殺れよ。めんどくせェ…」
「ふーん、そのライフルしか持ってなかったんだぁ。じゃあいいよ? 接近戦でやろうか!」
「はぁ!? お前、頭可笑しいんじゃねぇの? そういや、花宮が言ってたな…」
「いや、だってさ簡単に死んだら虹村さんにボコられるんじゃない?」
「…よし、殺ろう! 接近戦でもなんでも殺ってるよ!」
何故か虹村さんの性格を把握しているキラである。そして見事に釣られる灰崎であった。
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