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そして一方では…
「タイミング悪いのぅ」
「ここで今吉が釣れたのは有り難いぜ。しかも様子からして1人だな」
「なら余裕じゃねぇか」
「いや、こいつの事だからなにか考えがあるかも知れねぇ。気抜くな」
あの後…古橋、黛と別行動をしていた今吉だったが拠点にしていた場所の近くで笠松と根武谷と出会してしまったのだ。
さすがに丸腰ではないが、相手が2人となると多少は覚悟が必要だ。
そしてふぅ…と吐いた今吉は、ゆっくりとアサルトライフルを構えた。
「悪いのぅ…まだ殺られる訳にはいかんねん。せやから…死んでもらうで」
「そう簡単に殺られっかよ」
「ほな、これはどうや?」
「うおっ…! あっぶねぇ!?」
「なっ…いっ!?」
「残念やなぁ…根武谷は、避けてもうたか」
ナイフを取り出した今吉は、すぐさまナイフを放った。しかしナイフは2人から大きく反れた場所へ飛んでいった。
しかしその瞬間に笠松と根武谷に向かって吹き矢の矢が一斉に飛んで来た。
それを根武谷は、運良く避けたが笠松はパッと見、致命的ではないが矢を受けてしまった。
「トラップか…だけど、大したダメージはないぜ?」
「それはどうやろうなぁ?」
「なに言って…!? ぐっ…クソッ毒か」
「さすがに吹き矢の矢で殺れるとは思っとらんよ。まぁ、笠松はもう無理やから…」
「俺か? いいぜ? 相手になってやるよ!」
吹き矢の矢には毒が塗ってあった為、ゆっくりと笠松が膝を付いた。額からは、大粒の汗が滲み出ている。
そんな笠松を守るようにして根武谷が前に出るとすぐさまナイフを今吉に投げ付ける。
それを難なくかわす今吉だったがその瞬間に笠松が今吉に向かってマグナムを発砲した。
ナイフを避けたせいですぐに反応が出来ず、まともに避ける事が出来ずにマグナムで足を撃ち抜かれた今吉は膝を付いた。
「まだ動けるんかいな…さすがにそれはズルいで」
「あれが最後の足掻きだっつーの…」
「ホンマかいな…それにしても足を撃たれちゃどうにもならへんな。ほな…これでどや」
「・・・なっ!? 根武谷逃げろ!」
「わ、わかった!」
膝を付いたままの今吉が取り出したのは3つの手榴弾だった。それにすぐに気付いた笠松が根武谷に逃げる様に言うと、すぐにその場から走り去った。
そして今吉が残念そうに笑うと手榴弾を放り投げた。
つまりは、原や高尾と同じで自爆をした。もちろん、身動きが取れない笠松も巻き込んで。
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