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――――――♪
「"14時までの死亡者を発表します。山崎弘はマグナムに撃たれ死亡しました。原一哉、高尾和成、瀬戸健太郎にはC4による爆発により死亡しました。緑間真太郎はサブマシンガンにより死亡しました。宮地清志は裏切りにより死亡しました。死亡者は6名です。繰り返します…"」
そんな放送を聞きながら、必死に攻撃を避けている者がいた。
紫原だ。
今吉にキラと合流する様にと言われてキラのいる方角へ向かっている最中、氷室と桃井に出会してしまったのだ。
「アツシがチームを裏切って俺のチームに来るって言うなら、見逃してやらない事もないよ?」
「やだよ〜裏切ったら殺されるし」
「そうか…残念だよ」
「むっくんなら大歓迎だったのにぃ!」
「室ちんとさっちんだけでも十分なんじゃないの?」
「ふふ、そんな事ないよ」
大きな体で俊敏な紫原は、鉄バットでの攻撃を避けているが…後ろにはスナイパーライフルを構える桃井がいた。
紫原の頭の中では、氷室より先に桃井をどうにかしないといけないとわかっていたので、氷室の攻撃を避けながらポケットからマグナムを取り出そうとした。
が、それを見ていた氷室がニコリと笑うと紫原より素早くデリンジャー取り出すと紫原の手を撃ち抜いた。
「っ!? む、室ちんっ…」
「まさか、俺が接近武器だけしか持ってないとでも思ったかい?」
「くぅっ…なんなの、マジで」
「そう易々とアツシに武器を使わせる訳がないだろ?」
「どんだけ俺が怖い訳…」
「そりゃあ早めに始末したかったくらいには…ね。アツシは、頭も良いからね」
ニコリと笑いながら腕から血を流し膝を付いている紫原に近付くと、いつもは見下されている紫原を見下すと頭を撫でた。
それは、もう…もう終わりだよ。と言っているかの様で紫原は、心のなかで舌打ちをしながらも自分と合流しようとしているキラが来ない事を祈りながら目を瞑った。
「随分と諦めが早いじゃないか」
「別にー。どっちにしろさっちんがいるなら室ちん攻撃しても意味ないし」
「まぁ、それはそうだけど」
「それに俺が殺られてもチームの奴が勝てばいいんだし。なら別にいいし」
「ふふっ…良いチームメイトに恵まれたみたいだね。じゃあそのチームの勝利を俺が無くしてあげるよ」
「室ちん…ホント性格わるっ」
そして怪訝そうに氷室を見る紫原だったがニコリと氷室が笑うと銃声と共にドサリと倒れ込んだ。
倒れ込んだ紫原の頭をわしゃわしゃと撫でると氷室は、桃井と立ち去った。
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